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腸に住む乳酸菌のために食べるアーモンドは生とローストどちらが良いか?

(2016年3月) 今年の1月に "Journal of the Science of Food and Agriculture" に掲載された中国の研究によると、アーモンドは生でもローストしてもバイオティクス(腸内細菌のエサ)として有効であると思われます。出典: In vitro and in vivo evaluation of the prebiotic effect of raw and roasted almonds
この研究には、Almond Board of California(カリフォルニア州のアーモンド業界団体)が資金の一部を提供しています。

アーモンドにはプレバイオティクスとしての効果を期待できる成分が含有されていますが、ローストすることによってその成分が変質してしまうことが懸念されます。 そこでこの研究では、その点について生体外実験と動物実験による調査を行いました。

生体外実験

生またはロースト後のアーモンドを胃と十二指腸で消化されたのと同じ状態となるように処理して、ラクトバチルス菌の一種であるアシドフィルス菌(La-14株)とビフィズス菌の一種であるビフィドバクテリウム・ブレーベ菌(JCM 1192株)に与えたところ、ローストしたアーモンドでも生のアーモンドと同程度にラクトバチルス菌およびビフィズス菌の生育が促進されました。

動物実験

ネズミに4週間にわたり生またはロースト後のアーモンドを毎日与えたところ、いずれの場合にもビフィズス菌とラクトバチルス菌の生育が促進され、エンテロコッカス菌(腸球菌)の生育が阻害されました。

ロースト・アーモンドの方が優れている面

ローストしたアーモンドを与えたときの方が、ビフィズス菌の生育を促進する効果が大きくなっていました。 また、腸における脂肪分解酵素の活性も、ローストしたアーモンドを与えたときの方が増大していました。

生アーモンドの方が優れている面
βガラクトシダーゼ、β-グルクロニダーゼ、アゾレダクターゼという腸内細菌が作り出す酵素に関しては生のアーモンドを与えたときの方が良好でした。 生のアーモンドを与えたときの方が有益なβガラクトシダーゼが多い一方で、有害なβ-グルクロニダーゼとアゾレダクターゼが少なかったのです。
βガラクトシダーゼはビフィズス菌とラクトバチルス菌が作り出す酵素で、乳糖の分解に関与しておりヒトの腸にとって有益な存在です。 これに対してβ-グルクロニダーゼアゾレダクターゼは毒性のある酵素です。
ラクトバチルス菌とビフィズス菌

ラクトバチルス菌とビフィズス菌は、乳酸を作り出すという意味においてはどちらも乳酸菌ですが、細菌の種類はかなり根本的に(生物学的な分類における「門」のレベルで)異なります。

一方、あまり耳馴染みがなくて健康に良いという話も聞かないエンテロコッカス菌ですが、こちらの方がラクトバチルス菌に近い種類で、「門」の下にある「綱」というカテゴリーのさらに下にある「目」というカテゴリーまでラクトバチルス菌と同じです(どちらもラクトバチルス目)。
界 > 門 > 綱 > 目 > 科 > 属 > 種

エンテロコッカス菌は人体に自然に存在する細菌で、病原性はあまりありませんが免疫力が弱った人において日和見感染症を引き起こすことがあります。

アーモンドは生で食べられるのか?

生のアーモンドを食べ続けて肌の老化が進んだという主張もありますが、Wikipedia を見る限りでは生でも食べられているし、生で食べても問題ないようです。

食中毒の恐れ
ただし、米国ではサルモネラ菌による汚染が懸念されるために未殺菌の国産アーモンドの販売が禁止されており、生として市販されているアーモンドであっても蒸気や薬剤(酸化プロピレンという発がん性のある物質)で殺菌されています。 オーストラリアでも 2012年にサルモネラ菌に汚染された生アーモンドによる集団食中毒が発生しています。
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