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円形脱毛症の患者はビタミンDが不足している?

(2017年5月) "Journal of the College of Physicians and Surgeons Pakistan" に掲載されたジナ・ポストグラデュエイト医療センターの研究で、円形脱毛症の患者はビタミンDが不足していることが多いという結果になりました。

研究の方法

円形脱毛症の患者30人のグループ(平均年齢は約24才、40%が男性)と、この患者グループと年齢・性別において釣り合う健常者30人のグループとで、ビタミンD(カルシフェジオール)の血中濃度を比較しました。

円形脱毛症の患者30人のうちの半数は、円形脱毛症を発症してから3~12ヶ月が経過していました。

結果

健常者グループではビタミンD血中濃度の中央値が22.5ng/dL(*)だったのに対して、円形脱毛症グループでは13.5ng/dLでした。
(*) 「ng/dL」という単位の問題に関しては後述。

子供でも

トルコで行われ "Journal of Cosmetic Dermatology" に掲載された研究では、小児円形脱毛症の子供20人と健康な子供34人のビタミンD血中濃度を測定して、健康な子供のビタミンD血中濃度が平均15.5ng/mlなのに対して円形脱毛症の子供では平均11.1ng/mlであるという結果になっています。 円形脱毛症の子供では、ビタミンDの血中濃度が低いほど円形脱毛症が重症でした。

解説

ビタミンDの不足が免疫系を介して円形脱毛症の発症に関わっている可能性が考えられます。 ビタミンDは毛包細胞のサイクルの調節にも関与しています。

ビタミンDの補給

ビタミンDは食品にも含まれていますが、日光が皮膚に当たることで主に補給されます。 日光に含まれる紫外線B波が皮膚に当たることでビタミンDが合成されるためです。

国立環境研究所(茨城県つくば市)の研究によると、冬の札幌でも76分間の日光浴で成人が1日に必要とする量のビタミンDを作れます。 スペインのバレンシアで行われた研究では、真冬の1月に 1,000IUのビタミンDを得るには130分間の日光浴が必要だという結果になっています。

十分なビタミンDを得るのに必要となる日光浴の時間は、服装(長袖か半袖かなど)や姿勢の影響を受けるので、日光にさらされる皮膚の範囲が狭ければ必要となる日光浴の時間が長くなります。 一般的には、日光に当たりすぎてもビタミンDが過剰に作られる心配はありません。

ng/dLという単位について

"Journal of the College of Physicians and Surgeons Pakistan" に掲載されたほうの研究の結果の数字に使用されている「ng/L」という単位は「ng/l」の間違いではないかと思います。 ビタミンD(カルシフェジオール)の血中濃度の単位として一般的に使われるのは、ng/ml・nmol/L・μg/Lという3種類の単位です。

WHOでは、20ng/ml(50nmol/L)未満をビタミンD不足としています。 dL(デシリットル)はml(ミリリットル)の100倍なので、22.5ng/dLをng/mlに換算すると0.225ng/mlという異常な数値になってしまいます。

ビタミンD血中濃度を表す単位として「ng/dL」も使われるのかと思い調べてみたところ「ng/dL」の使用例も見つかりましたが、そうした使用例は「ng/ml」の間違いなのではないかと思います。

"30 ng/dl" という表記と "21.6 ng/ml" や "16.35 ng/ml" という数字が近くて単位が異なる表記が混在している(つまり "30 ng/dl" が "30 ng/ml" の間違いではないのかという)研究や、引用元で "ng/ml" という単位が使われているのに引用先で "ng/dL" に変わっているケースが見つかりました。