運動や知的活動でアルツハイマー病のバイオマーカーに違いは出ないものの...

(2015年6月) アルツハイマー病の予防に運動や知的活動(クロスワードパズルや読書)が有効であると考えられていますが、"Neurology" 誌オンライン版に掲載されたハーバード大学の研究で、運動や知的活動をさかんにしている人でもアルツハイマー病のバイオマーカー(*)が良好であるわけではないという結果になりました。出典: Keeping Mind, Body Active May Not Protect Against Underlying Signs of Alzheimer’s
(*) 海馬のサイズとβアミロイドの蓄積量。

ただし、運動や知的活動をしている人の方がIQや認知能力が高かったため、今回調査対象となったバイオマーカー以外の面で運動や知的活動が有益であるのだと思われます。

研究の方法
この研究では記憶力・思考力に問題が無い平均年齢74才の高齢者186人を対象に以下の調査を行いました:
  • これまでの人生における運動量・知的活動量を尋ねた。
  • 現在行っている知的活動について尋ねた。
  • 認知能力の検査を行った。
  • 7日間にわたり歩数計を装着してもらって現在の運動量を調べた。
  • PETスキャンとMRIスキャンにより脳に蓄積しているβアミロイドの量や海馬のサイズ(*)などを調べた。
    (*) 海馬は記憶と学習に深く関与する脳の領域です。 アルツハイマー病では海馬の萎縮が見られます(海馬健在型のアルツハイマー病もあります)。
結果

それまでの人生において認知活動(おそらく運動と知的活動を指す)を活発に行っていたグループは、そうでないグループに比べてIQと認知能力が良好でした。 しかしながら、アルツハイマー病のバイオマーカーに関しては両グループで差がまったく見られませんでした。

研究の弱点
研究者によると今回の研究には、被験者の人生における運動量と知的活動の量に関するデータを被験者の記憶に頼ったという弱点があります。