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アルツハイマー病の初期症状の傾向は年齢層により異なる

(2015年5月) " Alzheimer’s & Dementia" 誌に掲載された University College London(英国)などの研究により、アルツハイマー病で最初に表れやすい症状が年齢層により異なることが明らかになりました。

アルツハイマー病では、脳細胞が死滅することによって思考能力・記憶力の低下や異常行動など様々な異変が生じます。

今回の研究では、比較的若い60代以下の層では70代以上の層に比べて、アルツハイマー病の初期症状として記憶力の低下ではなく判断力・言語能力・視覚意識(*)・空間認識能力(spatial awareness)に問題が生じることが多いという結果になりました。
(*) 視覚意識 - visual awareness。 "Neural Dissociation between Visual Awareness and Spatial Attention"によると、「何かを見ているという主観的な感覚」のこと。
研究の方法

この研究では、年齢とアルツハイマー病の初期症状との関係を調べることを目的として、全米から集めたアルツハイマー病患者 7,815人分のデータを分析しました。 このデータにおいて最も若い患者は36才で最高齢は110才、平均年齢は75才でした。

結果

いずれの年齢層でも最初に生じた症状として最も多かったのは記憶力の低下ですが、年齢層が若いほど初期症状として判断力・問題解決能力・言語能力・視覚意識・空間認識能力の低下など記憶力低下以外の症状が現れることが多くなっていました。

初期症状が記憶力の低下ではなかった人の割合が、80才以上では7%未満、70代では10%、60代では20%、そして60才未満のグループでは25%という具合に若い年代になるにつれて増加していたのです。

アルツハイマー病の症状の1つとして見られる異常行動にも年齢層による違いが見られました。 いずれの年齢層でも異常行動として最も一般的なのは無感情(感情鈍麻)と引きこもり(withdrawal)でしたが、若い年代には抑鬱や不安感などが比較的多い一方で、高齢者層では精神病を伴うケースや異常行動が一切見られないというケースが比較的多くなっていました。