アルツハイマー病患者では脳から鉄を搬出するタンパク質の機能が低下

(2015年2月) "ACS Neuroscience" に掲載されたシドニー工科大学などの研究によると、トランスフェリンという血中にあって鉄の輸送を担当しているタンパク質の機能不全がアルツハイマー病に関与している可能性があります。

鉄などの金属がアルツハイマー病の原因ではないかと以前から言われていますが、未だ結論は出ていません。
研究の内容

この研究ではアルツハイマー病患者34人と健康な男女36人の血液サンプルを分析しました。 その結果、健康な人たちのグループに比べて、アルツハイマー病患者のグループは鉄の血中濃度が低いことが明らかになりました。

トランスフェリンの血中濃度は両グループで違いがなかったのですが、アルツハイマー病患者のグループの方がトランスフェリンに輸送される鉄の量が少なかったのです。

このことから、アルツハイマー病患者ではトランスフェリンによって脳から運び出される鉄の量が少ないために脳において鉄の量が過剰となり、その過剰な鉄がアルツハイマー病に見られるβアミロイドのプラーク蓄積に一役買っているという可能性が考えられます。

研究者は次のように述べています:
「次の研究では、銅と結合するセルロプラスミンというタンパク質を調査する予定です。 セルロプラスミンはトランスフェリンと相互作用します。 鉄とトランスフェリンと銅とセルロプラスミンの関係が解明されれば、アルツハイマー病の進行を遅らせる、あるいは進行をストップさせる治療法の開発につながるかもしれません」