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アルツハイマー病は人から人へは伝染しない

(2013年2月) これまでに複数の研究でアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性病の発症および進行に関与するタンパク質が患者の脳内で細胞から細胞へと「伝染」できることが示されていました。 しかしペンシルバニア大学などの研究によると、この「伝染」が人や動物の個体間では起こる心配がはありません。
研究の方法
この研究では、発育不全の治療のために、1963~1985年のあいだに水死者の脳下垂体から採取したヒト成長ホルモン(c-hGH)を投与された7,700人近くの人たちを対象に30年以上追跡調査したデータを分析し、アルツハイマー病・パーキンソン病・前頭側頭葉変性症(FTDL)・筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性病の発症リスクの増加を検証しました。
1980年代半ばに、ドナーの脳下垂体がプリオンに感染していたために、投与された c-hGH が病原性のタンパク質に汚染されていた人たちの200人以上が、クロイツフェルト・ヤコブ病(狂牛病の原因ともなるプリオンたんぱく質が原因となる神経変性の致命的な病気)に感染するという事件がありました。
結果

筋萎縮性側索硬化症(ALS)以外の神経変性病の発症はありませんでした。 ALS の発症は3件ありましたが、ALSの原因となる病原性のタンパク質(TDP-43、FUS、およびユビキリン)は、その痕跡がヒトの脳下垂体から検出されていないため、c-hGH の投与が関わっているかは不明です。

アルツハイマー病の原因となるタンパク質(タウおよび Aβ)やパーキンソン病の原因となるタンパク質(αシヌクレイン)はヒトの脳下垂体から検出されているため、c-hGH を投与された 7,700人はこれらの病気の原因となるタンパク質に暴露されている可能性が高いと考えられます。それなのにこれらの病気を発症していないことから、これらの病気は人から人へは伝染しないと考えられます。