ゾルピデムの副作用で救急病棟行きになる人が過去5年間で急増

(2013年5月) 米国でアンビエン(日本での商品名は「マイスリー」。有効成分はゾルピデム)という不眠症の薬(睡眠導入剤)の副作用が原因で救急病棟で診てもらう羽目になった人の数が、2005年から2010年にかけての5年間で3.2倍(6,110人 → 19,487人)と急増していることが報告されています。

2010年に薬の副作用が原因で救急病棟の診察を受けた人の数は、全米で約492万人でした。

アンビエンの副作用が原因で病院に行った人は特に中高年に多く、45歳以上が74%を占めています。 そして、男女別では次のように女性に偏っていました:

  • 女性 ― 2005年に 3,537人だったのが、2010年には 13,130人。 3.74倍の増加。
  • 男性 ― 2005年に 2,484人だったのが、2010年には 6,306人。 1.44倍の増加。
ゾルピデムとは?

ゾルピデムは、不眠症の短期治療に用いられる処方薬で、アンビエン、アンビエンCR、ゾルピミスト、エドゥルアール(Edluar)などの薬の有効成分です。

ゾルピデムの使用者数は全米で数百万人におよびますが、副作用が多く報告されたため、2013年の1月に米国食品医薬局(FDA)が、女性の推奨用量を半分に減らしています。 副作用の多さの男女差は、女性向けの用量が多かったのが原因だったのでしょうか。 FDAでは、男性向けの用量を減らすことも検討中です。

ゾルピデムの副作用
  • 激越 (リラックスしてじっとしていることが不可能な状態のことで、非常に緊張して怒りっぽくなる。 些細な事で簡単にいらだつようになり、しきりに反論する)
  • 昼間の眠気
  • 眩暈(めまい)
  • 運転中の眠気
  • 幻覚
  • 夢遊病

ゾルピデムを他の薬物と併用すると、鎮静効果が危険なレベルにまで強まることがあります。 特に、抗不安剤やオピオイド(アヘン類似物質)系の鎮痛薬との併用が危険です。

2010年のアンビエンの副作用による緊急病棟患者数(上述)にしても、その半数が他の薬物(37%は特に、中枢神経系を抑制する薬物)との併用が原因でした。