自宅から病院までの距離は、心臓発作や脳卒中になったときの死亡リスクにあまり関係しない

(2016年11月) "BMJ Open" に掲載されたベルン大学(スイス)の研究で、自宅で心臓発作や脳卒中になったときの死亡リスクに、自宅から病院までの距離はあまり関係しないという結果になりました。出典: Do acute myocardial infarction and stroke mortality vary by distance to hospitals in Switzerland? Results from the Swiss National Cohort Study

研究の方法
介護施設に住んではいない30才超のスイス人男女450万人の8年分のデータを用いて、自宅から自動車で最寄の急性期病院・中央病院・大学病院へ到着するまでの時間と、(自宅で起こった)心臓発作(急性心筋梗塞)または脳卒中で死亡するリスクとの関係を調べました。
心臓発作や脳卒中で亡くなった人たちの平均年齢が82才と78才だったため、心臓発作や脳卒中が発生した場所が自宅または自宅付近であると想定しました。

データの分析においては、自宅から病院までの所要時間に応じてデータを5つグループに分けて、様々な要因を考慮しつつ所要時間が最短のグループを基準に死亡リスクを算出しました。

結果
大学病院までの所要時間と心臓発作による死亡リスクとの間にのみ、ある程度の関係(*)が見られました。 大学病院以外の病院までの所要時間と心臓発作の関係や、脳卒中による死亡リスクと病院までの所要時間の関係は、あまり明確ではありませんでした。
(*) 所要時間が長いと20%ほどの死亡リスク増加。 ただし、性別や年齢や所要時間の程度により統計学的な有意性が無いケースも多い。
最寄の急性期病院までの平均所要時間は6.5分(大学病院は29.7分)、最長で65分というものでした。 自宅から10分以内に場所に急性期病院があるという人が80%超でした。