貧血症が認知機能に悪影響。 軽度認知障害のリスク増加も

(2015年12月) "Journal of Alzheimer’s Disease" に掲載されたドイツの研究で、貧血症の人は言語記憶能力と実行機能が低いだけでなく軽度認知障害(MCI)になるリスクも高いという結果になりました。

研究の内容

ドイツに在住の男女 4,814人(男性率50%)を 2000~2003年のうちに(認知機能や貧血の有無を)検査し、5年後に再び検査しました。 再検査の参加率は92%でした。

貧血症の有無による比較
貧血症(*)の163人と貧血症ではない 3,870人とを比較したところ、貧血症のグループの方が心血管疾患のリスク要因が大きく、様々な認知機能において劣っていました。 年齢を考慮した分析においても貧血症のグループは、即時想起(今しがた覚えたことを思い出す能力)と言語的流暢さにおいて統計学的に有意に劣っていました。
(*) ヘモグロビン値が男性では13g/dL未満、女性では12g/dL未満の場合を貧血症とみなしました。 ヘモグロビンは酸素を肺から全身へと運搬します。
MCIの有無による比較

MCIと診断された579人(健忘性MCIが299人、非健忘性MCIが280人)と認知機能が正常な 1,438人とを比較したところ、MCIのグループの方が貧血症の率が高くなっていました。 貧血症がある場合にはMCIのリスクが2倍近く増加するという計算になりました。

MCIの種類別の分析でも同様の結果となったことから、ヘモグロビンの不足が様々な経路により認知障害に寄与している可能性があります。