拒食症の患者は腸内細菌の種類が少ない

(2015年10月) "Psychosomatic Medicine" 誌に掲載されたノースカロライナ大学の研究により、拒食症の患者は腸内細菌の多様性が欠けていること、そして拒食症の回復に応じて多様性も回復することが明らかになりました。 過去の複数の研究でも、腸内細菌が人の気分・行動や体重の増減に関与している可能性が示されています。

研究の方法

拒食症の女性16人が拒食症で入院した時および退院する時に、糞便のサンプルを採取して腸内細菌叢(腸内細菌のコミュニティー)の構成を調べました。

結果
腸内細菌の多様性

入院時と退院時とで腸内細菌叢が異なっていました。 入院時に採取したサンプルの方が細菌の種類が少なく腸内細菌が多様性に欠けていました。 腸内細菌は多様であるのが健康的です。

退院時には腸内細菌の種類が増えていましたが、それでも健常者の腸内細菌叢(*)に比べるとまだ多様性が不足していました。
(*) 12人分。 研究チームが以前の研究で得たデータ。
精神面との関係
入院中の加療と体重増加により拒食症患者の腸内細菌叢が改善するにつれて、患者の気分も改善されました。 このことから研究チームは、拒食症患者の中枢症状(*)には腸内細菌叢が関与しているのではないかと考えています。
(*) 中枢症状とは中枢神経が関わる症状を指すようです。 検索すると、中枢症状として挙げられているのは、疲労感・頭痛・悪夢・集中力低下・認知機能低下・自律神経失調・疲労感・恐怖症・睡眠障害・不安感・多幸感・混乱などですが、ここでは下記の研究者の発言に登場する不安感や抑鬱のことを指しているのでしょう。
コメント
研究者は次のように述べています:
「腸内細菌バランスの乱れが拒食症や拒食症に付随する不安感・抑鬱の原因になっているとまでは言えませんが、拒食症による重度の栄養不足により腸内細菌叢の構成に変化が生じ、それが不安感・抑鬱が発生したり体重がさらに減ったりするのを助長している可能性があります」