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拒食症や過食症に大腸菌が関与

(2014年10月) "Translational Psychiatry" 誌に掲載されたルーアン大学(フランス)の研究によると、拒食症や過食症などの摂食障害(ED)の原因は腸内細菌かもしれません。 腸内細菌が作り出すタンパク質が ED に関与している可能性があるというのです。

この研究では、大腸菌などの腸内細菌が作り出すタンパク質の中に、たまたまメラノトロピン(メラニン細胞刺激ホルモン)と呼ばれる満腹感のホルモンを模倣するものが存在することが明らかになりました。

このタンパク質は "ClpB" と呼ばれるタンパク質で、人体は ClpB に反応して抗体を作り出します。 ところが、ClpB はメラノトロピンと構造が似ているために、人体が作り出した抗体は ClpB だけでなくメラノトロピンにも結合してしまいます。

その結果、メラノトロピンの食欲抑制効果に異変が生じて、拒食症や過食症になってしまうというわけです。 さらに、ClpB 自体にも拒食症を引き起こす作用があるようです。

研究の概要

この研究では、まずマウス実験を行いました。 マウスを2つのグループに分けて、1つ目のグループには ClpB を生産しないように遺伝子改造した大腸菌を投与し、2つ目のグループには普通に ClpB を生産する大腸菌を投与しました。

その結果、1つ目のグループではマウスの食欲にもメラノトロピンに対する抗体の量にも変化がありませんでしたが、2つ目のグループではいずれにも変化がありました。

次に、ED 患者60人を対象に "Eating Disorders Inventory-2" というアンケート(*)を用いて ED の重症度を調べ、血液検査を行ったところ、これらの患者では ClpB に対する抗体とメラノトロピンの血中量が増加していました。 さらに、拒食症になるのか過食症になるのかが、免疫反応によって決定されていました(詳細は不明)。
(*) アンケートでは、食事行動や心理状態(体重を減らしたい、病的な飢餓感がある、大人になるのが怖いなど)を調べた。
これらの結果により、食欲の制御に腸内細菌の作り出すタンパク質が関与していることが確認されました。