抗生物質で自閉症の症状が改善(前半)

(2015年3月) "Microbial Ecology in Health and Disease" 誌に、自閉症児の咽頭炎を抗生物質で治療すると自閉症が劇的に改善したというレポート(*)が掲載されています。
(*) RODAKIS, John. An n=1 case report of a child with autism improving on antibiotics and a father’s quest to understand what it may mean. Microbial Ecology in Health and Disease, [S.l.], v. 26, mar. 2015. ISSN 1651-2235. Available at: . Date accessed: 24 Mar. 2015. doi:http://dx.doi.org/10.3402/mehd.v26.26382.
今回のレポートの著者である John Rodakis氏によると、同じように抗生物質で自閉症が改善したというケースはかなり頻繁に発生していますが、研究はほとんどなされていません。
John Rodakis氏の略歴
Rodakis氏はハーバード大学のMBA(経営学修士)で分子生物学も学んでいました。 職業は医療関係のベンチャー・キャピタリストで、2014年に N of One: Autism Research Foundation という自閉症関連のNPO法人を設立しました。
今回のケース

Rodakis氏の子供は、数ヶ月前にダラス市の子供医療センターで中~重度の自閉症だと診断されていました。 子供が連鎖球菌性咽頭炎にかかったのを治療するために、アモキシシリンという一般的なペニシリン系抗生物質を10日間にわたって使用したところ、咽頭炎自体は2日ほどで治ったのですが、その後に予期していなかったことが起こりました。

アモキシシリンの服用を開始してから4日目に、子供の自閉症症状が次のように改善されていたのです:
  • 子供がアイ・コンタクトをし始めるようになった。
  • 発達が遅れていた発話も顕著に向上し始めた。
  • 物事の画一性(sameness)にこだわることが少なくなった。
  • 何かをするときの決まったやり方にこだわることが少なくなった。
  • 精力的に活動するようになった。

そして6日目には、三輪車に自発的にまたがり部屋中を乗り回しました。 三輪車は半年前に購入したものでしたが、それまでどれだけ促してもペダルをこいで前進したことがありませんでした。

これまでにも、子供が熱を出したときに自閉症の症状が一時的に軽くなることはありましたが、発熱が収まると元に戻っていましたし、今回見受けられたような改善が見られたことはありませんでした。

Rodakis氏は、子供が自閉症と診断されて以来、オリジナルのソフトウェアを用いて症状を評価してきました。 したがって、今回のレポートには一定の客観性があると考えられます。 子供の治療に当たっているセラピストも、Rodakis氏が話を振ったわけでもなく、子供が抗生物質を飲んだことも知らないのに「自閉症の症状が良くなっているようです」と言っていました。