閲覧以外でのコンテンツの利用をお考えの方は引用・転載をするときのルールをご確認ください。
Copyright (c)2013-2017 最新健康ニュース All Rights Reserved.

遺伝的な体質に関わらず食事コレステロールに神経質になる必要はない

(2016年2月) "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載された東フィンランド大学の研究で、ApoE-e4対立遺伝子の保有者であっても1日に卵1個分に相当する程度のコレステロールを摂るだけなら冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)を発症するリスクは増えないという結果になりました。

コレステロールとApoE-e4

大部分の人の場合、食事中に含まれるコレステロールは血中コレステロール値にあまり影響しませんし、コレステロールの摂り過ぎによって心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクが増加するという結果になった研究もほとんど存在しません。 世界的に見ても、コレステロール摂取量に上限が設けられていない食餌ガイドラインが多数存在します。

しかしながらApoE-e4対立遺伝子の保有者の場合には、食事に含まれるコレステロールがコレステロール値に及ぼす影響が一般的な人よりも大きくなります。 ApoE-e4対立遺伝子の保有者がコレステロールを大量に摂取した場合に心血管疾患のリスクが増えるかどうかについては、これまで研究が行われていませんでした。
フィンランドでは、国民1/3ほどがApoE-e4対立遺伝子の保有者です。
研究の方法

42~60才で心血管疾患の病歴がない男性 1,032人の食事習慣を調べ、その後21年間にわたり追跡調査しました。 32.5%の男性がApoE-e4対立遺伝子を持っていました。 追跡期間中に心筋梗塞(急性のものが心臓発作と呼ばれる)になったのは230人でした。

結果
主な結果は次の通りです:
  • コレステロールの多い食事をしていたグループで冠動脈疾患の発症リスクは増加していなかった。
  • ApoE-e4対立遺伝子の保有者に限った分析でも同様の結果だった。
  • コレステロールを含む主要な食品である卵の摂取量と冠動脈疾患の発症リスクとの間にも関係が見られなかった。
  • コレステロール摂取量や卵摂取量と頚動脈壁の肥厚(内膜中膜肥厚のことでしょう)との間にも関係が見られなかった。
結論

遺伝子的に食事に含まれるコレステロールの影響を大きく受ける人であっても、コレステロールの多い食事をしたり卵を頻繁に食べたりすることによって心血管疾患のリスクは増加しないと思われます。

ただし、今回のデータではコレステロール摂取量が最も多いグループでも、1日あたりのコレステロール摂取量は520mg(*)で卵摂取量は平均1個というものだったので、コレステロールをこれよりも多く摂る場合にも心血管疾患のリスクが増えないかどうかは不明です。
(*) 参考までに、産経新聞の記事によると、日本における成人のコレステロール摂取量上限値は男性で750mg、女性では600mgというものでした。 そしてこの記事によると、日本でも 2015年にコレステロール摂取量上限値が撤廃されています。