遺伝子的にアルツハイマー病になりやすい人は魚介類を食べると良いかも

(2016年2月) "Journal of the American Medical Association" に掲載されたラッシュ大学医療センター(米国)の研究によると、遺伝子的にアルツハイマー病になりやすい人は魚介類を食べるのがアルツハイマー病の予防に有効かもしれません。

研究の目的

認知症の予防には魚介類を食べると良いとする研究が複数存在する一方で、魚介類には脳細胞にダメージを与え認知機能を損なうと考えられている水銀が含まれています。 そこで今回の研究では、魚介類の摂取量・脳に存在する水銀の量・脳の神経病理の関係を調査しました。

方法

認知症ではない(おそらく高齢の)286人を対象に食事に関するアンケートを実施したのち、他界するまで平均で4.5年間にわたり追跡調査し、死亡後に脳組織における水銀とセレンの濃度を調べました。

結果
主な結果は次のようなものです:
  • 魚介類をよく食べる人は脳に蓄積する水銀の量が多かった。
  • しかし、水銀の量と脳の神経病理の間に関係は見られなかった。
  • ApoE-e4対立遺伝子というアルツハイマー病のリスク要因を抱えている人に限ると、魚介類をよく食べる人の脳には水銀が多いにも関わらずアルツハイマー病の神経病理が少なかった。
    (*) アルツハイマー病患者の脳に見られる、βアミロイドという毒性タンパク質のプラークとτタンパク質のもつれ。 これらは健常な成人にもある程度は見られます。

ただし、今回のデータにおける魚介類摂取量は中程度だったので、摂取量が多い場合には今回の結果は当てはまらないかもしれません。

魚油のサプリメント

今回の研究では、魚介類の摂取量だけではなく魚油(オメガ3脂肪酸)のサプリメントの服用と脳の神経病理との関係も調べましたが、サプリメント服用と脳の神経病理との間に関係は見られないという結果でした。

ただし今回のデータではサプリメントを服用する人が少なかったので、魚油の服用と脳の神経病理とが無関係であると断言することはできません。