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腋の下の臭いの原因と対策

腋の下に臭いが発生する仕組み

腋の下に汗をかくと、またたく間に細菌が増殖します。 そして、この細菌の活動(タンパク質の分解)によって腋の下の臭いが発生します。 汗自体は無臭です。

ヒトの体には400万以上の汗腺があります。 これらの汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類がありますが、腋の下に臭いに関与しているのはアポクリン線だけです。

汗の大部分はエクリン腺から出てくるのですが、エクリン腺から出てくる汗は塩分を大量に含んでいるため、臭いの原因となる細菌があまり活動できません。

一方、腋の下に多数存在するアポクリン腺から分泌される汗は、粘り気があってタンパク質を多く含んでいます。 この汗が、誰の皮膚や毛包にも住んでいる常在細菌の格好のエサとなるのです。

したがって腋の下に臭いは普通、アポクリン腺が発達し始める思春期(13~15歳ごろ)から問題になり始めますが、多汗症の子供には腋の下に臭いが見られるケースがあります。

腋の下の臭いには30以上の物質が関与していますが、主に、常在細菌がタンパク質を分解することで生じる3-メチル-2-ヘキセン酸という物質が原因です。

ただし、ワキガに関しては、上記とは別の仕組みで臭いが発生している可能性があります。

腋の下の臭いやワキガが問題になりやすい人

腋の下の臭いは、腎臓病や肝臓病、糖尿病にかかっている人で問題となることがあるほか、胃腸のトラブル、肌のトラブル、カビへの感染なども腋臭の原因となることがあります。

また閉経後の女性でも、発汗量の増加が原因となって腋の下の臭いが気になることがあります。 緊張や不安で腋の下の発汗量が多い人も同様です。

ワキガの場合には、遺伝(体質)の影響が大きいため、家族にワキガの人がいる場合には、ワキガになるリスクが増加します。

2009年に発表された長崎大学などによる研究によると、湿っていて、茶色っぽく、粘り気のあるアフリカ・欧州タイプ(日本人では15%以下)の耳垢が取れる人はワキガであることが多いそうです。

ワキガは ABCC11 という遺伝子の遺伝子型が GG または GA の人に多く AA の人に少ないのですが、この遺伝子型を耳垢で判定できるというわけです。

腋の下の臭い対策
腋の下の臭いを軽減させる方法には次のようなものがあります:
  • 腋の下を清潔にする
    腋の下を抗菌セッケンで定期的に洗って、腋の下に住む細菌の数を抑制します。 ぬるま湯で薄めた漂白剤が効くという話もあります。
  • 腋毛を剃る
    腋下の毛のために汗が乾き難くなり、細菌がタンパク質を臭いの元となる酸に分解するのに適した環境が長続きします。 腋毛を剃って汗を乾きやすくすることで、細菌が繁殖しにくくなります。
  • 汗を吸いやすい生地の服を着る
    腋毛を剃るのと同じ理由で、吸汗性に優れたシャツも有効です。 コットンや、ウール、絹などの自然素材など以外にも、細菌では吸汗性のシャツなどが販売されています。
  • デオドラントや制汗剤を使用する

    デオドラントには、皮膚を酸性にして細菌の活動を抑制する効果があります。 一方、制汗剤は、汗腺をブロックして発汗量を抑えます。 ただし、デオドラントや制汗剤の使用により、乳ガンや前立腺ガンのリスクが増加するので使い過ぎには注意しましょう。

    ベビーパウダーにも腋の下の臭いを抑える効果があります。
  • ハーブなどを使用する

    デオドラントや制汗剤が体に合わない場合には、自然のハーブなどを使用してはどうでしょうか? ウィッチヘーゼルや、ローズマリー、ティーツリーのアロマオイルを水で薄めたものが体臭の軽減に有効だという報告があります。

    医療や清掃にも使用されるホワイト・ビネガー(酢)で腋の下を拭いて酸性に傾けるのも有効です。 ホワイト・ビネガーは普通の酢よりも匂いがマイルドですが、それでも酢の匂いは嫌だという場合には、レモンやライムの果汁がお勧めです。 コストは高くなりますが、腋の下を酸性にしたうえで柑橘系の爽やかな香りを漂わせてくれます。
  • 食事に気を使う

    汗の原料も元をたどれば普段の食事なので、腋下の臭いは食事の影響を受けます。 特にコリン(ビタミンBに似た物質)の摂取を制限するのが体臭を抑えるのに有効です。

    コリンを多く含む食品は、牛のレバー(418mg/100g)、全卵(112mg/一個)、牛肉(81mg/100g)、カリフラワー(44mg/100g)、豆腐(28mg/100g)などです。 ただし、コリンは人体にとって必須の物質で、一日に 500mg 程度は摂取する必要があります。

    コリンの他にも、ニンニクや、タマネギ、香辛料、カフェイン飲料などを食べると体臭が強くなると言われています。
  • 過酸化水素水(オキシドール、オキシフル)で消毒する
    過酸化水素水を濃度が3%になるように薄めたもので消毒します。 オキシドールは薬局で売られています。
  • ボツリヌス毒素の注射

    腋の下にボツリヌス毒素を注射して発汗を抑えます。 ボツリヌス毒素の神経毒性によって脳から腋下の汗腺に出される信号が阻害されます。 45分ほどのあいだに12回ほども注射をします。

    食中毒で有名なボツリヌス毒素を注射するというと、とんでもないことのように思いますが、美容のシワ取り(毒で筋肉を麻痺させてシワが目立たないようにする)にもボツリヌスが利用されています。 ただし高額なうえに、数ヶ月しか効果が続かないこともあります。
  • ティーバッグでこする
    効果は1日ほどしか続きませんが、ティーバッグで脇の下をこすって脇の下の臭いを予防するという民間療法があります。 やり方は次の通り:
    1. 脇の下の毛を剃る。
    2. 抗菌剤の入った石鹸で脇の下を洗う。
    3. 脇の下をタオルで拭いて乾かす。
    4. ティーバッグ(リプトンなどの)をぬるま湯にしばらく漬けて、茶葉がふやけたら、ティーバッグで脇の下をゴシゴシとこする。
    5. こすった後は、固く絞った濡れタオルで脇の下についた紅茶をきれいに拭います。(そうしないと服に紅茶のシミが付きます)
  • ココナッツ・オイル
    ココナッツ・オイルが脇の下の臭いに対して有効だという噂があります。 ココナッツ・オイルに、抗菌・抗カビ効果があるのだそうです。