乳ガンの薬の副作用(関節・筋肉痛)には運動が有効

(2013年12月) 乳ガンの治療や予防に用いられるアリミデックスや、フェマーラ、アロマシンなどのアロマターゼ阻害剤では副作用として関節痛や筋肉痛が生じることがあり、それが原因で薬を飲むのを止めてしまう人も少なくありませんが、"San Antonio Breast Cancer Symposium" で発表された研究によると、運動によってアロマターゼ阻害剤の副作用が緩和される可能性があります。

アロマターゼ阻害剤について

アロマターゼ阻害剤は女性ホルモンであるエストロゲンを遮断する錠剤で、乳ガンの中でも最も一般的であるホルモンが原因の腫瘍を治療した後5年間は服用することが推奨されます。

アロマターゼ阻害剤はさらに、乳ガンの家族歴や遺伝子変異があるなどの理由で高リスクとみなされる女性に予防のために処方されることも増えています。 アロマターゼ阻害剤の1つであるアナストロゾール(アリミデックスなど)で、乳ガンになるリスクが53%減少したという研究もあります。

アロマターゼ阻害剤は有効な薬であると考えられますが、関節痛・筋肉痛やホットフラッシュなどの副作用が原因で、この薬を飲みたがらない女性が相当数存在します。 テキサス大学の専門家によると、米国の場合、15%の女性が乳ガンの予防のためにアロマターゼ阻害剤を飲むと良いと考えられますが、この薬を実際に飲んでいるのは5%に過ぎません。

研究内容
この研究では、乳ガンの治療のためにアロマターゼ阻害剤(種類は様々)を飲んでいて関節痛の副作用が出ている閉経後の女性121人に参加してもらいました。 121人のうちの約半数(以下「運動グループ」)には1週間あたり1回の筋力トレーニングおよび150分以上の有酸素運動を行ってもらい、残りの人たち(以下「普段グループ」)にはそれまでの生活を続けてもらいました。
「1週間あたり1回の筋力トレーニングおよび150分以上の有酸素運動」 とは例えば、月曜日には筋トレをして、火曜日~土曜日の五日間には毎日30分の有酸素運動をして、日曜日はお休みという感じ。

運動グループと普段グループに、このような生活を1年間続けてもらったところ、運動グループでは関節痛が20%緩和されていたのに対して、普段グループでは3%の緩和でした。 運動グループでは、①痛みのきつさと、②痛みが日常生活の支障となる度合いの両方において緩和が見られました。

おまけに、(運動をしたので当然のことながら)運動グループでは体重が平均で3.6kg減って、心肺機能も向上していました。 逆に普段グループでは少し体重が増えていました。

運動グループには、スポーツクラブが無料で解放されました。 運動グループで運動習慣を1年間続けられたのは80%でした。