自閉症児で不足しがちな栄養素と過剰になりがちな栄養素

(2015年6月) "Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics" に掲載されたロチェスター大学(米国)などの研究で、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子供で過剰になりがちな栄養素と欠乏しがちな栄養素が調査されています。

ASD児は、偏食を心配する親がビタミンやミネラルなどのサプリメントを与えたり、ASDの症状改善を期待して特別な食事(GFCF食など)を与えられたりしますが、そのために一部の栄養素が過剰になったり、逆に不足したりする恐れがあります。

研究の方法

この研究では、DSM-IV の定義に基づいて自閉症性障害、アスペルガー症候群、または広汎性発達障害と診断された2~11才の子供368人の食事データを分析しました。 食事データ(飲食物とサプリメント)の記録は親が栄養士の指導の下で行いました。

結果
不足している栄養素

データを調査した結果、ASD児のビタミン・ミネラル摂取量は一般の子供と同じようなもので、ビタミンD、ビタミンE、カルシウム、カリウム、およびコリン(ビタミンBの一種)が不足していました。 サプリメントを服用しているASD児に限っても40~55%はカルシウムが、30~40%はビタミンDが不足していました。

過剰な栄養素

サプリメントを服用しているASD児の多くでは、ビタミンA、葉酸、および亜鉛の摂取量が1日の摂取量上限を超えていました。 栄養素の過剰摂取には、栄養素が強化された加工食品も関係している可能性があります。

GFCF食をしているASD児
グルテンとカゼイン(乳タンパク)を排除するGFCF(gluten-free/casein-free)食を続けているASD児には、①マグネシウムとビタミンEの摂取量が多い、そして②ビタミンDが足りていることが多いという特徴がありました。 GFCF食でマグネシウムとビタミンEの摂取量が増えるのは大豆とナッツ類の摂取量が増えるためかもしれません。 カルシウムに関しては、他の子供たちと同様に不足していました。