その寝汗や咳の原因は室内干しかも

(2014年11月) National Aspergillosis Centre(英国)によると、洗濯物を室内に干すのは免疫力が弱っている人や重度の喘息を抱えている人にとって危険です。

冬に暖房の利いている部屋で洗濯物を干すと、室内の湿度が最大で30%ほど増加(*)してカビが繁殖するのに絶好の環境となります。 特に、コウジカビの一種であるアスペルギルス・フミガーツス(aspergillus fumigatus)には注意が必要で、このカビはときとして命にも関わりかねない肺感染症の原因になります。

(*) 湿度が30%になるのではなく、既存の湿度にプラス30%上乗せされる。

43才の英国人男性は次のように体験談を語っています:

「何年間も室内干しを続けていてなんともなかったのですが、1997年に結核になってからは肺が弱り、子供のときに喘息になって以来の症状が悪化してきました。

その後、肺アスペルギルス症と診断されてカビ感染症用の薬を飲み始めると症状が改善され始めたのですが、今度は咳の発作と寝汗が気になるようになりました。 特に、暖房器具の上に洗濯物を干したときに、これらの症状が出るようでした。

医師に相談したところ、『室内干しが原因である可能性はある』ということだったので、室内に洗濯物を干さないようにしました。 その習慣を開始してから1年が経ちますが、この1年のうちに健康状態が非常に良くなりました。

激しい運動はできませんが、薬が不要になり、病院に行くのも年に3回の検診だけとなりました。 そして、再び自転車に乗れるようにもなりました」

研究グループによると、アスペルギルスのカビ胞子の吸引を原因とするアスペルギルス症で診察を受ける患者の数が増加傾向にあります。

研究者は次のように述べています:

「冬季には87%の人が洗濯物を室内で乾かすという推算があります。 一回分の洗濯物に含まれる水分は2リットルにもなり、室内干しによってその2リットルが部屋中に放出されます」

「ほとんどの人は湿度が高いときに繁殖するカビに感染しないか、感染してもそれを退けるだけの免疫力を有しています。 しかし、喘息患者ではカビ胞子が咳や喘鳴の原因となることがありますし、ガンの化学療法を受けている患者・AIDS患者・自己免疫疾患患者などのように免疫力が弱っている人では肺アスペルギルス症になる恐れがあります。 肺アスペルギルス症は、肺と副鼻腔に取り返しのつかない、ときとして致命的なダメージを与える病気です」

「室内干しが原因と思われる症状があれば、寝室や居間に洗濯物を干すのを止めてみましょう」