アスピリンを常用するとガンなどで死亡するリスクが増加する?

(2018年9月) "The New England Journal of Medicine" に掲載されたモナシュ大学(オーストラリア)などの研究で、アスピリンを常用するとガンなどで死亡するリスクが高くなるという結果になっています。

研究の方法

ASPREE(Aspirin in Reducing Events in the Elderly)と呼ばれるランダム化比較試験のデータを用いて、アスピリンの常用を続けた場合とアスピリンを常用しない場合とで死亡リスクを比較しました。

ASPREE では、オーストラリアに住む65才以上の男女1万7千人弱および米国に住む70才以上の男女 2,411人(合計 19,114人。大部分が白人)を2つのグループに分けて、一方のグループにはアスピリン100mgを、そしてもう一方のグループにはプラシーボを常用し続けてもらい、中央値で4.7年間にわたり生存状況を追跡調査しました。 被験者はいずれも、心血管疾患・認知症・障害を抱えていませんでした。

結果

追跡期間中に 1,052人が死亡しました。

アスピリンを常用したグループは常用しなかったグループに比べて、死亡リスクが14%増加していました。

死因別の分析で統計学的に有意な結果となったのはガンだけで、アスピリンを常用したグループは常用しなかったグループに比べて、ガンで死亡するリスクが31%増加していました。

ガンの種類別では、統計学的に有意な結果だったのは大腸ガンだけでした(77%のリスク増加)。

解説

今回の結果はこれまでの類似研究の結果と食い違うため、今回の結果を鵜呑みにするわけにはいきません。 研究グループにとっても今回の結果は意外でした。

2011年に "The Lancet" 誌に発表された研究(リンク先は英文。8つのランダム化比較試験の結果をまとめたメタ分析)で、アスピリンの常用を開始して4~5年間が経過する頃からガンで死亡するリスクが低下し始めるという結果になっています。