アスピリン常用でリスクが下がるガンと下がらないガン(再掲)

(2016年3月) "JAMA Oncology" に掲載された Massachusetts General Hospital(ハーバード大学)の研究で、アスピリンの常用により主として大腸ガンなど胃腸のガンのリスクが下がるという結果になりました。出典: Regular Aspirin Use Found to Protect Against Overall Cancer Risk
"AACR Annual Meeting 2015" で発表されたときにニュースになった研究が "JAMA Oncology" に掲載されたために再びニュースになっているようですが、前回のニュースと今回のニュースとで結果の数字が異なっています。
研究の概要
13万6千人の32年分のデータを分析したところ、アスピリンを常用(*)していたグループは常用していなかったグループに比べて種類を問わないガン全体の絶対リスクが3%低くなっていました。 アスピリンの常用によって結直腸(≒大腸)ガンのリスクは19%(†)、胃腸のガンのリスクは15%(†)下がっていました。 乳ガン・前立腺ガン・肺ガンのリスクはアスピリン常用によって下がっていませんでした。

(*) レギュラーサイズの錠剤または低用量の錠剤を毎週2回以上服用。

(†) こちらは相対リスクでしょうか。 原文で「常用していなかったグループに比べて」という部分を挿入する箇所を間違えているのかもしれません。
アスピリンのガン予防効果は、レギュラーサイズの錠剤を毎週0.5~1.5錠あるいは低用量の錠剤を毎日1錠飲むことを5年以上続けることで発揮されるように見受けられました。 胃腸関連のその他の腫瘍については、低用量の錠剤を毎日1錠飲むことを6年以上続けることで発揮されていました。
2文目で「胃腸関連のその他の腫瘍」となっているので、1文目の用量と服用期間は結直腸ガンに関しての話でしょうか。
コメント
研究者は次のように述べています:
「心疾患の予防などアスピリンを常用する理由が他にある人は特に、結直腸ガンの予防を目的としてアスピリンの常用を検討してもよいと思います。 今回の数字を見ると、アスピリン常用がガン検診以上に結直腸ガンの予防に有効ですが、現時点では世間全般に向けてガン予防のためにアスピリンを常用することを推奨するには至りません」
「しかしながら、胃腸のガンの予防を目的とするアスピリン常用すべきかどうかについて主治医と相談するのはよろしいかと思います。 家族歴などのガンのリスク要因がある場合は特に、アスピリンの常用を検討すると良いでしょう」
「ただし、アスピリンの常用を開始する前にアスピリンの常用の副作用を把握しておく必要があります。 また、アスピリンを常用しているからといってガン検診が不要になるわけではありません」