アスピリンでHLA クラスⅠ陽性の結腸ガンの生存率が向上

(2014年4月) "JAMA Internal Medicine" に掲載されたオランダの研究によると、一部の結腸ガンの患者は低用量のアスピリンを服用することで生存率が増加するかもしれません。

この研究ではまず、結腸ガンの手術を受けた患者999人(大部分がステージIII以下)の組織サンプルを採取して HLA(ヒト白血球抗原)クラスⅠと PTGS2(プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素)の発現の度合いを評価しました。 HLA クラスⅠ とは、免疫系に体を防御するように警告を出す物質のことです。

その後、病院のデータベースからアスピリンに関する処方情報を入手して、結腸ガンと診断されてから14日目以降のアスピリン使用状況を調べました。

低用量(80mg)のアスピリンを常用していたのは182人で、このうち結腸ガンが原因で亡くなったのは69人(37.9%)でした。 これに対して、アスピリンを常用していなかった817人では396人(48.5%)が亡くなりました。

アスピリンの常用による生存率の向上は、HLA クラスⅠを発現する(HLA クラスⅠ陽性の)結腸ガンで特に顕著で、HLA クラスⅠの発現が失われている結腸ガンの患者では、アスピリンの常用による違いは見られませんでした。 腫瘍の分析が行われたのは999人のうちの963人でしたが、この963人の2/3ほどが HLA クラスⅠ陽性の結腸ガンでした。

コロンビア大学の研究者は今回の論文によせたエディトリアルの中で次のように述べています:

「仮に私がステージIIIの腫瘍を患っていたならば、最近の結果に基づいて、FOLFOX 補助療法に加えてアスピリンも服用を開始するだろう。 したがって、患者にもアスピリンの服用を勧めることになると思う。 ただし、結腸ガンを予防する目的でアスピリンを服用することはお勧めしない」


ただし、今回の研究を行った研究者自身は、結腸ガン患者の治療にアスピリンを使用するには、さらに研究が必要だと考えています。