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低用量アスピリンの常用で結直腸ガンの発症リスクが減少

(2013年7月)"Annals of Internal Medicine" に掲載された米国の研究で、アスピリンを2日に一度飲んでいる女性では、飲んでいない女性に比べて、結腸ガンの発症リスクが20%減少するという結果になりました。

研究の方法

45歳以上の女性 39,876人を2つのグループに分けて、1993年~1996年から2004年までにわたって、低用量(100mg)のアスピリンまたはプラシーボを1日おきに服用し続けてもらいました。

そして、ガンや、医薬品の使用頻度、副作用、試験で渡された以外のアスピリンの使用、(ガンの)リスク要因に関するアンケートに定期的に回答してもらいました。 39,876人のうち 33,682人については、2004年以降も2012年まで追跡調査を行いましたが、2004年以降は、アスピリンまたはプラシーボを支給しませんでした。

結果

研究開始から18年後の時点で、アスピリンを服用していたグループでは、プラシーボのグループと比べて、結腸癌の発症リスクが20%減少していました。 中でも、2004年以降も自主的にアスピリンの服用を続けていた人で結腸ガンのリスクが最低となっていました。

結腸ガン以外の種類のガンの発症率や死亡率に関しては、両グループに違いは見られませんでした。

副作用
今回の試験では、アスピリンを服用していたグループで胃腸の出血と消化性潰瘍(胃腸の潰瘍)のリスクが増加していました。
胃腸の出血リスクは、プラシーボのグループで7.3%だったのに対して、アスピリンのグループでは8.3%。 消化性潰瘍は6.2%に対して7.3%。
解説

アスピリンに結腸ガン予防の効果があることは、過去の複数の研究でも示されています。 例えば、2013年6月に "JAMA" に掲載された研究では、アスピリンによってBRAF遺伝子の変異が関与していない結腸ガンの発症リスクが27%減少するという結果が出ています。

また、今回の試験では結腸ガンによる死亡率の減少は見られないという結果になっていますが、過去の研究にはこれらに関してもアスピリンが有効であるという結果になったものが複数存在します。 例えば、結腸ガン患者の5年後の生存率がアスピリンにより増加(74%に対して97%)したとか、アスピリンを(心臓病などのために)もっと多量に、高頻度で服用しているケースでは結腸ガン以外のガンの死亡率も下がったとか、ガンの悪化が防げたなどです。

アスピリン常用の期間

今回の結果からすると、アスピリンの常用による結直腸ガン(大腸ガン)のリスク減少の効果を得るには10年ほど常用を継続する必要があります。 他の複数の研究でも、アスピリン常用の効果が見え始めるまでに5~10年が必要という結果になっています。

アスピリンを服用すべきか否か

胃腸の出血と消化性潰瘍というアスピリンの副作用は既に知られている(今回の研究以外でも確認されている)ので、副作用のリスクを医師と検討したうえで、結腸ガン予防を目的とするアスピリンの服用を開始するかどうかを判断する必要があります。

アスピリンのガン予防効果が結腸ガンにしか認められていないうえに、副作用のリスクまであるのだから、結腸ガン予防のためにアスピリンを常用するのは、結直腸ガンのリスクが高い人(結直腸ガンの家族歴がある人、過去に結直腸のガンやポリープになったことがある人など)だけにすべきであると考える専門家もいます。