アスピリンを常用する男性でメラノーマ(皮膚ガン)のリスクが増加

(2018年5月) "Journal of the American Academy of Dermatology" に掲載されたノースウェスタン大学の研究で、男性に限りアスピリン(バファリンなど)を常用しているとメラノーマ(皮膚ガンの一種)になるリスクが2倍近くに増加するという結果になっています。出典: Daily Aspirin Linked to Higher Melanoma Risk in Men

アスピリンの常用について

アスピリンの常用は心臓発作などのリスクを下げるために行われます。 アスピリンの常用が一部のガンのリスクに影響(低下または増加)するというデータもあります。 米国では65才以上の高齢者の半数近くがアスピリンを常用(毎日や1日おきなど)しています。

研究の方法

メラノーマの病歴がない18~89才の男女19万5千人のメラノーマ発生状況を5年間以上にわたり追跡調査したデータを用いて、アスピリン常用(*)とメラノーマになるリスクとの関係を分析しました。
(*) アスピリン81mg(低用量アスピリン1錠に相当する量)または325mg(普通のアスピリン1錠に相当する量)を毎日服用する習慣が1年以上続いていた場合を「アスピリンを常用していた」とみなした。

結果

アスピリンを常用していたのは 1,187人で、このうちの26人(2.19%)が追跡期間中にメラノーマと診断されました。 アスピリンを常用していなかった19万人超のうち追跡期間中にメラノーマと診断されたのは 1,676人(0.86%)でした。

アスピリン常用によりメラノーマのリスクが増加していたのは男性だけでした。 アスピリンを常用していなかった男性に比べて常用していた男性は、メラノーマになるリスクが83%増加していました。

解説

男性でのみアスピリン常用によりメラノーマのリスクが増加していた理由としては色々考えられますが、その中で最も有力な仮説は「男性は女性よりも特定の酵素(スーパーオキシド・ジスムターゼやカタラーゼ)が少ない」というものです。

ノースウェスタン大学の研究者は次のように述べています:
「男性は保護効果を有する酵素が少ないために細胞が酸化ダメージを受けやすく、そのためにメラノーマになりやすいのかもしれません」
「今回の結果は『男性は心臓発作の予防を目的とするアスピリン常用を中止すべきである』ということを意味するわけではありません