アスピリンにより遺伝子の老化が鈍化しガン予防効果。喫煙はその逆

(2014年7月) アスピリンの常用にガンを予防する効果があることは 1990年代から知られていますが、"Journal of the National Cancer Institute" に掲載されたバーゼル大学(スイス)の研究によると、アスピリンの常用によって結直腸(≒大腸)ガンのリスクが減少するのは、アスピリンがゲノム(1組の染色体)の老化プロセスであって結直腸ガンに関与しているものを遅くしているためだと思われます。

研究の方法

50才以上の健康な女性546人の腸組織サンプルを用いて、遺伝子マーカー(特定の疾患や障害の発生リスクが高いことを意味するDNA配列の変化のこと)の年齢に特有の変化(DNA メチル化)と、女性たちの生活習慣(アスピリンの服用習慣、喫煙習慣、BMI、ホルモン補充療法)とを照らし合わせました。

結果

アスピリンの常用と喫煙が最も強く DNA メチル化に影響していました。 遺伝子マーカーの加齢による劣化が、低用量アスピリンを常用している人では鈍化する一方で、喫煙習慣のある人では速められていたのです。

コメント
研究者は次のように述べています:

「各細胞のゲノムは、目印だらけの図書館のようなものです。 この目印のお陰で、肌や筋肉、腸などの各細胞は、自らの役割を果たす上でどの遺伝子を読み込めば良いのかを知ることができます。

ところが、この『目印』はあまり安定した存在ではなく、老化にしたがって変化してしまいます。 ゲノムのどこかに過剰な変化が生じると腫瘍が発生します」