アスピリンの服用で乳ガンの生存率が向上する可能性

(2014年8月) "Cancer Research" 誌に掲載された Trinity College Dublin(アイルランド)の研究によると、アスピリンの服用により乳ガンの生存率が増加する可能性があります。

乳ガンと診断される以前からアスピリンを服用していた女性では、乳ガンがリンパ節にまで広がるリスクと、乳ガンを原因として死亡するリスクが低下していたのです。

研究の概要
ステージI~IIIの乳ガン患者 2,796人のデータを分析した結果、乳ガンと診断される前からアスピリンを処方されていた女性では処方されていない女性に比べて、リンパ節転移陽性の乳ガン(*)と診断される率が統計学的に有意に低くなっていました。
(*) リンパ節転移陽性の乳ガンとは、ガン細胞が乳房に最も近いリンパ節からも検出された乳ガンのことです。 リンパ節転移陽性の乳ガンは深刻なガンです。

このアスピリン常用と乳ガンのリスクとの関係は、アスピリンを習慣的に、かつ高用量で服用していたグループに最も顕著に現われていました。

コメント
研究者は次のように述べています:

「今回の結果から、アスピリンの服用によって乳ガンがリンパ節にまで広がるのを防ぐ効果があり、その効果によって乳ガンによる死亡率が低下する可能性が示唆されます」

「ただし今回の研究は観察研究に過ぎないので、この結果のみに基づいて予防的にアスピリンの服用を開始することはお勧めできません。 アスピリンには深刻な副作用もありますから」

「それに現時点では、アスピリンが乳ガンに作用する仕組みも、アスピリンの服用が効果的となる女性のタイプや乳ガンの種類も、アスピリンの理想的な服用量もわかっていません」