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アスピリンの常用で大腸ガン患者の生存率アップ

(2016年6月) "Journal of Clinical Oncology" に掲載されたオスロ大学の研究で、解熱鎮痛剤として市販もされているアスピリンを常用する大腸ガン患者は生存率が高いという結果になっています。出典: Aspirin As Secondary Prevention in Patients...

研究の方法
2004年~2011年のうちに大腸(結直腸)ガンと診断されたノルウェー人男女2万3千人超の数年分(*)のデータを後ろ向きに分析して、大腸ガンと診断された後にアスピリンを服用していた人(†)と服用していなかった人とで生存率を比較しました。

(*) 中央値で3年間。

(†) 大腸ガンと診断されてから6ヶ月間を超えてアスピリンを服用していた人。
結果

26%にあたる6千人超の人がアスピリンを服用していました。 アスピリンを服用していたグループでは、死因を問わない死亡件数が2千件超(約33%)で、大腸ガンによる死亡の件数は1千件超(19%)でした。 これに対してアスピリンを服用していなかったグループでは、死因を問わない死亡件数が7千2百件超(約42%)で、大腸ガンによる死亡の件数は5千400件足らず(31.5%)でした。

死亡リスクに影響する様々な要因を考慮しつつ分析したところ、アスピリンを服用していたグループは服用していなかったグループに比べて、大腸ガンにより死亡するリスクが15%低いという結果になりました。 総死亡リスク(死因を問わない死亡のリスク)については、統計学的に有意とは言えない数字でした(HR, 0.95; 95% CI, 0.90 to 1.01)。

解説

アスピリンは腸における発ガンを防ぐ作用があることで知られていますが、健康な人のガン予防にアスピリンを活用することに関しては賛否両論があります。 アスピリンには一部の人で脳出血や胃潰瘍のリスクが増加するという副作用もあるためです。

しかしながら大腸ガン患者の再発予防に限れば、アスピリンの服用はデメリットがメリットを明確に上回るのではないかと考えられます。 その理由は次の3つです:
  • 免疫系が腫瘍に対して免疫力を発揮するのは、(いちどガンになって)免疫系がガン細胞にさらされてからである。
  • 腫瘍に対する免疫力をプロスタグランジン(*)が阻害する。
    (*) 脂肪酸の一種で、ガンの発症を促進する。 アスピリンにはプロスタグランジンの生成を抑止する作用があります。
  • 大腸ガンになったことのある人は、一般の人よりも大腸ガンになる(大腸ガンが再発する)リスクが随分と高い。