高用量アスピリンで傷の治りが遅くなる

(2014年5月) "The Journal of Experimental Medicine" に掲載された日本の研究によると、アスピリンを高用量で服用すると傷の治癒が遅くなると考えられます。 マウスを用いた実験により、アスピリンがケラチノサイトと呼ばれる皮膚の細胞に作用して、傷口の皮膚の修復を遅らせることが明らかになったのです。

ケラチノサイトの傷口への移動に支障が生じると、傷が治らずに慢性化します。 慢性的な傷(潰瘍)は糖尿病の合併症として問題となります。

外傷を負った患部で血が固まるときには 12-HHT という分子が作られます。 12-HHT はケラチノサイトの移動を促進する(ケラチノサイトの表面には BLT2 という 12-HHT の受容体が存在します)ことによって傷口における上皮層の再形成を促進します。

研究チームは今回、高用量のアスピリンにより 12-HHT の生産量が減少して傷の治癒が遅くなることを明らかにしました。

研究者は次のように述べています:

「今回の研究でアスピリンにより傷の治癒が遅くなるメカニズムが明らかになりました。 慢性的な傷口がある人はアスピリンを慎重に使用しましょう」