アスピリンに卵巣ガン予防効果

2012年の研究

"Acta Obstetricia et Gynecologica Scandinavica"(2012年10月)に掲載されたデンマークの研究によると、アスピリン(アセチルサリチル酸)で侵攻型の卵巣ガンのリスクが減少する可能性があります。

研究の方法

上皮卵巣ガン患者756人のデータを35~75歳の健康な女性 1,564人のデータと比較しました。 鎮痛剤の使用状況に関する情報は聞き取り調査で入手しました。

結果

アスピリンを定期的に服用している女性では漿液性卵巣ガンのリスクが60%減少していました。 アスピリン以外の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、アセトアミノフェン、その他の鎮痛剤では卵巣ガンのリスクは下がっていませんでした。

メタ分析

"Journal of the National Cancer Institute"(2014年2月)に掲載された米国国立がん研究所が行ったメタ分析によると、アスピリンを毎日服用している女性では卵巣ガンのリスクが下がると考えられます。

メタ分析の方法

このメタ分析では、卵巣ガンとアスピリンなどとの関係を調べた12の研究(データに含まれる人数は合計2万人足らず。卵巣ガン患者は8千人近く)を分析しました。

結果
分析の主な結果は次の通りです:
  • アスピリンを常用していた女性は18%ほど、アスピリン以外の NSAID(イブプロフェンなど)を常用していたのは24%、アセトアミノフェンを常用していたのが16%だった。
  • アスピリンを毎日服用している女性では、卵巣ガンのリスクが、アスピリンの服用頻度が週に1回未満の女性に比べて20%下がっていた。
  • アスピリン以外の NSAID を週に1回以上服用している女性でも、NSAIDの服用頻度がもっと少ない女性に比べて卵巣ガンのリスクが10%下がっていたが、これは統計的に有意な数字とは言えない。
  • アセトアミノフェンの服用は、卵巣ガンのリスクに影響していなかった。
コメント
研究者は次のように述べています:

「アスピリンの常用が心臓発作のリスク低下に有効であることは既に知られていますが、今回の研究ではアスピリンで卵巣ガンのリスクも減る可能性が示されました」

「ただし、現時点では卵巣ガン予防を目的としてアスピリンの常用を開始することはお勧めできません。 現時点ではリスクとベネフィット(メリット)のバランスや、アスピリンが卵巣ガンを予防するメカニズムが把握できていないためです」
アスピリン常用の注意点
アスピリンの常用はガン以外にも心臓発作・脳卒中や認知症の予防に有効である可能性がありますが、消化管からの出血・消化性潰瘍・出血性脳卒中のリスクが増えるなどの副作用もあります。 したがって、アスピリンの常用を開始する前には必ず、医師に相談する必要があります。