アスピリンの常用で膵臓ガンのリスクが低下

(2014年6月) "Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention" 誌に掲載されたイェール大学の研究によると、低用量のアスピリンを服用する期間が長いほど膵臓(すいぞう)ガンになるリスクが低下すると考えられます。

研究者は次のように述べています:

「およそ60人に1人の成人が膵臓ガンになりますが、膵臓ガンの5年生存率は5%以下です。 したがって、膵臓ガンは予防が重要です」

「今回の結果は、心血管疾患(心臓発作や脳卒中など)を予防する目的でアスピリンの常用を開始するかどうかで迷っている人にアスピリン常用を決断させる材料になると思います。 少なくとも、アスピリン常用によって膵臓ガンのリスクが増えることはありません」
研究の方法

コネチカット州の30の病院から被験者(膵臓ガン件数362件、対照群690人)を募り、アスピリンの服用の服用年数やアスピリンの服用量などを尋ねました。

被験者の57%が男性、92%が非ヒスパニック系の白人、49%が喫煙者または喫煙経験者、19%が過去3年以内に糖尿病(*)と診断されていました。
(*) 膵臓ガンのリスク要因。 「糖尿病と診断されたら膵臓ガンにも注意が必要

低用量アスピリンの使用者では96%、普通用量のアスピリンの使用者では92%がアスピリンを毎日服用していると回答しました。

結果
低用量アスピリン(75~325mg/日)の服用期間が6年以下のグループでは39%、10年超のグループでは60%も膵臓ガンのリスクが低下していました。
原文の別の箇所にある数字では、研究開始の3年前からアスピリンを常用しているグループでは48%のリスク減少、研究開始の20年前からアスピリンを常用しているグループでは60%のリスク減少。

この結果は、BMI・喫煙歴の有無・糖尿病の有無などの要因を考慮したうえでのものです。

また、研究が開始される2年前から研究開始の直前までの期間内にアスピリンの常用を中止していたグループでは、膵臓ガンのリスクが常用を継続しているグループに比べて3倍に増加していました。

留意点
研究者によると、膵臓ガンが生じ始めている人では、膵臓ガンと診断される2~3年前の時点で味覚障害が起こりますが、このような味覚障害が生じた人はアスピリンの服用を止めてしまう傾向にあります。
膵臓ガンの人がアスピリンを服用しなくなるために、膵臓ガンではないグループのアスピリン服用期間が膵臓ガンのグループよりも長くなり、それによってアスピリンの長期服用に膵臓ガンを予防する効果があるように見えているという可能性があるというわけです。
アドバイス
アスピリンの常用を開始するかどうかの判断について、研究者は次のように述べています:

「アスピリンには副作用のリスクもあります。 したがって、アスピリンを常用するかどうかは各自の事情に応じた判断を行なう必要があります。

例えば、膵臓ガンの家族歴があるなどで膵臓ガンになるリスクが高い人であれば、アスピリンの常用が有益であるケースが多いと思われます」