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アトピー性皮膚炎の患者は心筋梗塞のリスクが高い

(2016年11月) "BMJ Open" に掲載されたオーフス大学病院(デンマーク)の研究で、アトピー性皮膚炎の患者は心筋梗塞になるリスクが高いという結果になりました。出典: Hospital-diagnosed atopic dermatitis and long-term risk of myocardial infarction: a population-based follow-up study

研究の方法

アトピー性皮膚炎と診断された患者5千人近くと健常者5万人近くを対象に心筋梗塞の発症状況を15年間ほど追跡調査したデータを分析しました。 データの分析においては、糖尿病・高血圧・高脂血症・脳卒中の病歴や教育水準や年齢や性別を考慮しました。

結果
心筋梗塞の発症率が健常者では0.4%だったのに対して、アトピー性皮膚炎の患者では0.6%(*)でした。 研究チームの計算によると、アトピー性皮膚炎の患者では心筋梗塞のリスクが74%増加するということになります。
(*) 絶対リスクで言えば、さほどのリスク増加ではないということになります。

アトピー性皮膚炎患者のうちアザチオプリンや、メトトレキサート、シクロスポリンといった薬による治療が必要だったグループに限ると、心筋梗塞のリスクは140%増加していました。 こういった薬を必要としないグループでは58%のリスク増加でした。

解説

研究チームによると、アトピー性皮膚炎により心筋梗塞のリスクが増加するのは、アトピー性皮膚炎の患者の免疫学的な経路に生じる異変(炎症)が原因かもしれません。

炎症以外にも、精神的な要因や肥満・高血圧・糖尿病前症・喫煙習慣・運動不足など患者本人がある程度コントロールできる要因(*)が関わっている可能性が考えられます。
(*) アトピー性皮膚炎の患者に、こういった不健康な体の状態や生活習慣が多く見られるという研究(リンク先は英文)があります。