アトピー性皮膚炎の治療に湿式ラップ療法が効果

(2014年7月) "Journal of Allergy and Clinical Immunology" に掲載された National Jewish Health(米国)の研究によると、アトピー性皮膚炎の治療に湿式ラップ療法(wet wrap therapy)が有効だと思われます。

湿式ラップ療法の内容
入院加療中のアトピー性皮膚炎の子供72人を対象に湿式ラップ療法を行いました。 アトピーの重症度に応じて湿式ラップ療法を1日に2~3回行ない、症状の改善に応じて湿式ラップ療法を行なう範囲を減らしてゆきました。
結果

アトピー性皮膚炎の症状が平均で71%軽減されました。 およそ4日ほどで症状が劇的に改善し、自宅に戻って1ヶ月が経っても、薬だけに頼ることなく皮膚が健康な状態が維持されていました。

被験者となった子供たちは当初、SCORADとADQ(*)のスコアが50前後だったのですが、湿式ラップ療法を続けた後には短期間のうちにスコアが15未満にまで下がっていました。

(*) SCORADとADQはいずれもアトピー性皮膚炎の症状改善度を評価するための基準。 スコアが50以上であれば重症、25~49であれば中等症、25未満であれば軽症に分類されます。

SCORADの正式名称は "Scoring Atopic Dermatitis"、ADQの正式名称は "AD Quickscore" というものです。
湿式ラップ療法のやり方
湿式ラップ療法は 1987年から知られるようになった治療法です。 やり方は次の通り:
  1. ぬるま湯に20分間ほどつかる。
  2. 体が湿っているうちに手早く、患部にローションまたは刺激の少ない塗り薬を塗る。
  3. ローションや塗り薬を塗った部分に湿った衣服または(サランラップのような)ラップを巻きつけて乾かないようにする。(その上に乾いた服を着る)
  4. その状態で2時間以上を過ごした後に湿った衣服やラップを外す。

National Jewish Health によると、湿式ラップ療法には①肌のうるおいを保つ作用と、②塗り薬の効果を高める作用、③患部を冷やして痒みを抑える作用があります。 (2時間が経つ前に)乾き始めたら、患部を再び濡らすかラップを外します。

注意点
研究者によると、湿式ラップ療法で成果を得るには技術が必要なので家庭ではやらない方が良いそうです。 さらに、上記ウェブサイトによると、湿式ラップ療法は重症のアトピーに対してのみ、短期間に限って行なうものです。 湿式ラップ療法では感染症にも注意が必要です。