冬季のアトピー性皮膚炎悪化にはビタミンD が有効かも

(2014年10月) "Journal of Allergy and Clinical Immunology" に掲載されたマサチューセッツ総合病院(米国)などの研究で、ビタミンD のサプリメントを毎日服用することによって、冬季におけるアトピー性皮膚炎の症状を緩和できるという結果になりました。 この研究はモンゴルの子供たち100人超を対象に行われました。

米国の11人の子供たちを対象に行われた過去の類似研究(同じ研究者による)でも今回と同じような結果になっています。
アトピー性皮膚炎とビタミンD
アトピー性皮膚炎はしばしば冬季(太陽光が弱まるためにビタミンDが不足しがちになる)に悪化します。 重度のアトピー性皮膚炎の患者に対して紫外線を体に当ててビタミンDの生産を促進するという治療が一般的に行われていますが、ビタミンDの欠乏とアトピー悪化との関係について調べた研究は、これまでほとんど行われていません。
研究の方法

冬季あるいは秋から冬への移行期にアトピー性皮膚炎が悪化したことのある2~17才の子供たち107人を2つのグループに分けて、一方のグループには1日あたり 1,000IU のビタミンDを、もう一方にはプラシーボを一ヶ月間にわたって服用させるという試験を行いました。 両親はもちろん研究チームも、どの子供がプラシーボを服用したのかは知りませんでした(二重盲検法)。

アトピー性皮膚炎の症状の評価は、試験開始前と試験終了時に行いました。 両親にも、子供のアトピー性皮膚炎の症状に改善が見られたかどうかをたずねました。

結果

ビタミンDを服用したグループではアトピー性皮膚炎の症状が平均で29%改善していました。 プラシーボを服用したグループの改善率は16%でした。 両親からの報告でも、ビタミンDのグループの子供の方が、症状の改善幅が有意に大きくなっていました。

この研究のデータでは子供たちがビタミンD欠乏症だったのかどうかは不明ですが、同時期にウランバートル(モンゴルの首都)で行われた研究で、98%の子供がビタミンD欠乏症であるという結果になっていることから、この研究の子供たちもビタミンDが欠乏していたと思われます。

アドバイス
研究者は、冬季に子供のアトピー性皮膚炎が悪化するようであれば、症状が特にひどいときに、今回の研究結果のことを医師に伝えてビタミンD投与について相談したうえで、2~3週間ほどビタミンDのサプリメントを与えてみるのも良いだろうと述べています。