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除草剤アトラジンで新生児に後鼻孔閉鎖症のリスク

(2012年9月) ベイラー医科大学の研究によると、アトラジンという除草剤により先天性疾患になるリスクが増加する可能性があります。

アトラジンは米国で最も普及している除草剤で、これまでにも両生類への影響が指摘されていますが、今回の研究によると、このアトラジンによりヒトで後鼻孔閉鎖症のリスクが増加する可能性があるというのです。

後鼻孔閉鎖症として生まれる赤ちゃんはは約7,000人に1人です。 後鼻孔閉鎖症は、呼吸が妨げられるケースでは危険な病気となります。

研究の概要

テキサス州の先天的欠損症のデータベースを分析したところ、アトラジンの使用量が最も多い水準にある郡では最も低い水準にある群と比べて、後鼻孔の先天的な閉鎖症または狭窄症(塞がるほどではなく狭くなる)になるリスクが80%増加していました。

解説

これまでに後鼻孔閉鎖症のリスク要因はほとんど見つかっていませんが、研究グループによると、母親の内分泌をかく乱する化学物質が後鼻孔閉鎖症のリスク要因となっている可能性があります。 アトラジンも、これまでの他の研究により内分泌かく乱物質であると考えられています。

後鼻孔閉鎖症のリスクには、ホルモン特に甲状腺ホルモンの異常が関係しているのではないかという説があり、さらにアトラジンが内分泌かくらん物質であって内分泌の活動と甲状腺ホルモンの体内量に影響を与えている可能性も疑われています。
つまり 『①甲状腺ホルモンの異常でたぶん後鼻孔閉鎖症のリスクが増える、そして②アトラジンはたぶん甲状腺ホルモンの分泌に影響する。 したがって、③アトラジンで後鼻孔閉鎖症のリスクが増えるのではないか』 ということでしょうか。
研究者は次のように述べています:
「アトラジンが内分泌システムに影響を与えているとすれば、それはたぶん 、アトラジンが体内のいくつかのホルモンを模倣して、それらのホルモンの活動を妨害し、通常の生物学的なプロセスをかく乱するからではないでしょうか」
日常生活でのアトラジンとの接触

アトラジンの使用について検索したところ、農家での使用状況はヒットしませんでしたが、農民連食品分析センター農薬DB(リンク切れによりリンク削除)によると、ネコソギ(エース)粒剤、ゲザプリム、Gesaprim、A Atrex, Primatol A, Atratolなどの商品名で流通しています。 このうち、ネコソギエースというのは、名称からもおわかりのように一般消費者向けガーデニング用農薬なので日常生活で接点があるかもしれないので注意が必要です。

「各国の農薬の使用状況」(http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/chemical/pest_imp-fd/pdf1/yunyu8.pdf がリンク切れ)というのも見つかりました。 これによると、米国産とメキシコ産のトウモロコシでアトラジンが多量に使われているそうです。 Wiki によるとアトラジンの半減期は13~261日です。