自分の老化をポジティブに捉えている人は認知症のリスクが低い

(2018年2月) "PLOS ONE" に掲載されイェール大学などの研究で、自分の老化をポジティブに捉えている人は認知症になりにくいという結果になっています。

老化に対する態度は自分で変えることが可能です。 また、老化に対する態度がポジティブであるとストレスが少ないというデータがあります。

研究の方法

認知症ではない60才以上の男女 4,765人の老化に対する心理的な態度を調べたのち4年間にわたり認知症の発生状況を追跡調査しました。

老化に対する態度とは?

老化に対する態度の把握には Philadelphia Geriatric Center Morale Scale というアンケートの一部を用いました。 質問項目は次の通りです:
  1. 年を取るほどに状況が悪くなっていますか?
  2. 昨年のあなたと比べて同じくらいに元気ですか?
  3. 年を取るほどに自分が役立たずになっていくと感じますか?
  4. 若いころに「自分が年を取った時にはこんな感じだろう」と考えていたのに比べて、実際に自分が年を取ってからの状況は良いですか? それとも悪いですか?
  5. 今のあなたは若いころの自分と同じくらい幸せですか?

こうした質問に「状況が良い」とか「役立たずではない」とか「幸せだ」と回答する人は老化に対する態度がポジティブであるということになります。

結果

老化をポジティブに捉えている人はネガティブに捉えている人に比べて、認知症になるリスクが19%低下していました。

遺伝子的にアルツハイマー病になりやすい人たち(ApoE-e4対立遺伝子の保有者)のデータに限って分析すると、この数字は31%でした。
老化に対する態度を自分しだいで変えられるとはいえ、老化に対する態度を把握するためのアンケートの質問項目はいずれも「自分の人生が成功であった」と当人が感じているかどうかに大きく左右されるでしょう。 そして、生活の裕福さ(人生の順調さ)が認知症のリスクに影響する可能性があります(世帯収入が少ないと認知機能の低下が早く進むという研究がある)。 しかし今回の分析では、教育水準や追跡開始時点での認知能力の良し悪しは考慮しているものの職業や年収などは考慮していません。