自閉症は生後6~15ヶ月での介入により、3才までにほぼ消滅する?

(2014年9月) "Journal of Autism and Developmental Disorders" オンライン版に掲載されたカリフォルニア大学デイビス校の研究で、生後6~15ヶ月の自閉症スペクトラムの症状が現れて間もない時点で治療を開始すると、ASD の症状が緩和されて、大部分のケース(7人中6人)において3才になる頃には自閉症も発達の遅れも生じないという結果になりました。

この治療法は Infant Start と呼ばれる療法で、自閉症の顕著な症状(アイコンタクトが少ない、コミュニケーションを取ろうとしない、同じ行動を繰り返すなど)を示した生後6~15ヶ月の子供を対象に半年間にわたって行われました。 Infant Start 療法はセラピストではなく両親が実施しました。

一般的に自閉症児の治療が開始されるのは3~4才頃ですが、自閉症の症状は1才になる前から現れていることがあります。
研究方法
この研究では、Infant Start 療法を受ける生後6~15ヶ月の自閉症児7人のグループ(以下「IS療法グループ」)を、次の4つのグループと比較しました:
  1. 兄や姉に自閉症児がいて自閉症リスクが高いとみなされるが自閉症を発症していない子供たち
  2. 兄や姉に自閉症児がおらず正常な発達を見せている子供たち
  3. 3才になるまでに自閉症を発症した子供たち
  4. IS療法グループと同じく早期から自閉症であることが判明していたが、治療開始時期が遅かった子供たち
IS療法グループの子供はみな、視覚や聴覚などに異常はありませんでした。 自閉症の症状の判断は Autism Observation Scale for Infants および Infant-Toddler Checklist に基づきました。
結果
IS療法グループは、3のグループ(*)に比べて、生後9ヶ月の時点では自閉症の症状が顕著でしたが、生後13~36ヶ月の時点では3のグループよりも症状がマシになっていました。
(*) 原文では「同じように自閉症の兆候が出ていたけれども治療を受けていなかったグループ」。
総じて、IS療法グループは自閉症のスコア、言語能力、および発達の遅れにおいて、3および4のグループ(*)よりも障害が軽微でした。
(*) 原文では「(自閉症の)症状が出ていた IS療法グループ以外の複数のグループ」。

今回の研究は予備的なものなので、もっと信頼性が高い大規模な研究で今回の結果を確認する必要があります。

Infant Start 療法について

Infant Start 療法は、Early Start Denver Model(ESDM)(リンク先は英文)と呼ばれる治療法をベースにしています。 ESDM はセラピストだけでなく両親が家庭で行うこともできますが、講習などで手法を学ぶ必要があります。

ESDM の教科書らしき書籍も出版されていますが洋書ばかりで、残念ながら今のところ和書は存在しないようです。