グルタミン酸ナトリウム(加工食品)の排除で自閉症が完治!?

(2014年3月) 市販の食品に添加されるグルタミン酸ナトリウム(グルタミン酸ソーダ)という化学調味料を食事から排除することで自閉症が治ったというケースがニュースになっています。

この方法を実践したのはサンフランシスコ在住の生化学者 Katherine Reid さんです。 彼女の娘が2才のときに自閉症と診断されたので、半年ほどにわたって、食事からグルテンを排除してみたり、乳製品を排除してみたりしたのですが、あまり効果がありませんでした。

そんなときに Reid さん は、過剰なグルタミン酸が学習能力を阻害するという話を読み、食事(加工食品)に含まれるグルタミン酸ナトリウムのせいでグルタミン酸が過剰になっていると確信しました。
グルタミン酸は化学伝達物質で、脳の神経細胞と体の他の細胞との間の信号伝達に関与しており、学習および機能(通常の行動や活動をする能力)に必要となります。 自閉症児ではグルタミン酸の体内量が多いことが知られています。
それまで Reid さんは、ほとんど(95%)の加工食品にグルタミン酸ナトリウムが添加されていることに気付いていませんでした。 (米国では)グルタミン酸ナトリウムが用いられている食品のうち、グルタミン酸ナトリウムを食品の原材料として表示しているのが全体の1%に過ぎず、残りの99%では、加工食品に用いられているグルタミン酸ナトリウムは、香料や、コーン・スターチ、大豆タンパクなどと表示されている(グルタミン酸ナトリウムがこれらの添加物の材料として用いられているということでしょう)ためです。

Reid さんの娘は2才の時点で、人間関係を築くことが出来ず、重度のコミュニケーション障害があり、数時間にもわたって癇癪を起こし続けていました。 さらに、反復行動や、消化器のトラブル、便秘も見られました。 これらはすべて自閉症の症状です。 心理士による検査では、中程度の自閉症と診断されました。

ところが Reid さんによると、グルタミン酸ナトリウムを娘の食事から排除したのち、娘の自閉症は速やかに改善し始め、7才の現在では自閉症が完治しています。

Reid さんは現在、"Unblind My Mind" という団体を設立してグルタミン酸ナトリウム除去療法を推進していますが、そこではグルタミン酸ナトリウム除去療法によって75件中74件の自閉症が5週間以内に劇的に改善するという結果が出ているそうです。

専門家の反応
カリフォルニア大学サンフランシスコ校に在籍する自閉症児治療の研究者は次のように述べています:
「Reid さんの仮説を裏付ける科学的なデータはありませんが、グルテンやカゼイン(乳製品)を排除した食事が自閉症児の治療に有効であることがある(この研究者自身が担当した自閉症児では1/3ほどでグルテンやカゼインを排除した食事の効果が見られた)ので、グルタミン酸ナトリウムの排除が有効であるというのも有り得ない話ではありません。

中程度の自閉症が7才になるまでに完治するというのは一般的ではありませんが、そういうケースが無いわけではありません。(つまり、グルタミン酸ナトリウムを排除したからではなく、自閉症が自然に治った可能性もある)

しかし、グルタミン酸ナトリウムを排除した食事(生鮮食品のみを食べ、加工食品を食べない)は健康的なので、試してみて損はありません」
Lucile Packard Children's Hospital Stanford に勤務し自閉症神経学を専門とする精神科医は次のように述べています:
「自閉症の治療においては、新しいアプローチを否定せずに試してみるべきだと思います。 ただし、グルタミン酸ナトリウムを排除するという療法には科学的な裏づけはありませんし、好き嫌いの激しい自閉症児の食事を制限するのは非常に困難となることがあります。

あと、Brooke ちゃん(娘の名前)の自閉症が、グルタミン酸ナトリウムの排除とは無関係に、自然に治った可能性もあります」 参考記事: 自閉症は完全に治るケースも少なくない

「加工食品が存在しなかった時代にも自閉症は存在していました(ので、自閉症の原因がグルタミン酸ナトリウムだということは無いでしょう)けれども、一部の癲癇にケトン食療法(低炭水化物・高脂肪が特徴の食事療法)が有効であることから、グルタミン酸ナトリウム除去療法を試すことを検討してみても良いでしょう」
睡眠不足によって脳への関門が壊れ、神経毒性を持つ血流中の物質が脳に入る」という話にもグルタミン酸ナトリウムが登場していますが、この話によるとグルタミン酸ナトリウムなどの物質は「血液脳関門」という防御機構によって普通は脳に入り込まないようになっています。