天才児に限りなく近い自閉症児

(2012年11月) "Intelligence" 誌に掲載されたオハイオ州立大学などの研究により、天才児と自閉症の子供に共通点のあることが明らかになりました。

研究の方法

この研究では8人の天才児(男児が6人、女児は2人)を調査しました。 8人の内訳は、数学の天才児と美術の天才児がそれぞれ1人ずつ、音楽の天才児が4人、そして分野が移動した天才児が2人(1人は音楽から料理へ、もう1人は音楽から美術へ)というものでした。

8人と個別に面談して、知能テストと自閉症スペクトラム指数評価を受けてもらいました。 自閉症スペクトラム指数評価というのは、自閉症の度合いを測定するテストのことで、その内容は知識・指摘空間能力・ワーキングメモリ・定量的推理力・流動的推理力でした。

無作為に選ばれた174人の成人にも対照群としてこれらのテストを受けてもらい、天才児たちのテスト結果と比較しました。

結果

テストの結果、8人の天才児のうち3人が自閉症スペクトラムであると診断されました。 他の天才児も対照群の成人たちと比べると自閉症気味でした。

自閉症的な性質

天才児には自閉症に見られる特徴も対照群に比べて強く見られましたが、アスペルガー症候群などに見られるほどの水準ではありませんでした。 ただし「細部への注意」という自閉症の評価項目においては、天才児たちのスコアはアスペルガー症候群の子供たちよりも高いという結果になりました。 自閉症と診断された3人では、この評価項目のスコアは低く、天才児グループ全体で8.5点であったのに対し、この3人だけは8.0点でした。

特定分野での天才児も総じて頭が良い

また、天才児たちは知能テストの成績も総じて良く、特にワーキングメモリのテストでは、どの子も上位1%に入っていました。 ワーキングメモリとは、ひとつの作業を行ううえで必要となる種々の情報を短期間記憶しておくための脳の領域のことです。

天才児の血縁者には自閉症が多い

天才児たちの半数で血縁者に自閉症の人がいました。 自閉症になるのは120人に1人なので、天才児たちの50%で血縁者に自閉症がいるというのは異様な高率だと言えます。

天才児と自閉症児は紙一重?
研究者は、天才児と自閉症児には共通の性質があるが何らかの要因(例えば遺伝子変異など)によって天才児では自閉症の症状が表れないのだと考えています。