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蜂の毒に対するアレルギーは体を守るためのものだった

(2013年10月) 蜂の毒によるアナフィラキシー・ショック(蜂の毒に対するアレルギー)は致命的となることがあるほどに恐ろしいものですが、"Immunity" 誌に掲載された2つの研究(マウス実験)によると、蜂の毒に対する免疫応答などのアレルギー反応は人体を保護するために進化してきたシステムであり、現在においても有益な面があると考えられます。

くしゃみ・咳・鼻水・涙・嘔吐・痒みなどのアレルギー反応が、人体が有害な物資を排除するために進化してきた結果だというのです。

1つ目の研究

ドイツで行われた1つ目の研究では、マウスがミツバチの毒や毒蛇の毒に対する IgE 抗体(アレルギー反応に関与している抗体で、花粉症などのアレルギー疾患では悪者扱いされている)を身に付けることで、これらの毒のによる被害を軽減できるように進化してきたことが示されました。 アナフィラキシーが問題となるのは、アレルギー反応が暴走したときだけなのです。

この研究では、ミツバチが動物を刺すときに注入する1回分または2回分程度の量の毒をマウスに注射するという実験を行いました。 ミツバチの毒を注射されたマウスでは一種の免疫応答が生じ、それによって毒に対する耐性が増加して、致命的となりかねない量の毒でも死ななかったのです。 また、蛇の毒を用いた同様の実験でも、同様の結果となりました。

ミツバチの毒の場合でも蛇の毒の場合でも、マウスは IgE 抗体から毒に対する耐性を得ていました。

2つ目の研究

蜂の毒に含まれる成分のうちアナフィラキシーの主な原因となるのは、PLA2(ホスホリパーゼ A2)という酵素で、この酵素は(蜂に刺された動物の)細胞膜を破壊することで害をなします。

米国で行われた2つ目の研究では、このPLA2 を投与されたマウスにおいて2型免疫応答が起こり、それによって2度目以降に投与された PLA2 の被害が緩和され、致死量に近い量であっても死なずに済むことが明らかになりました。

このように、蜂の毒に対する免疫応答(アレルギー反応もその1つ)は、動物の体にとって有益であると考えられます。 それでは何故、アナフィラキシー・ショックを起こす人がいるのでしょうか?

この問いに対して研究者は次のように述べています:
「明確にはわかっていませんが、遺伝による体質などの理由で、IgE による反応が激烈となる一部の人でのみ、蜂に刺された時にアナフィラキシーを起こすリスクがあると考えられます。 この説は、ミツバチの毒に対する IgE 抗体を持つ人のうち蜂に刺されてアナフィラキシー・ショックを起こすのがごく一部でしかないという臨床データによって裏付けられています」
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