寒さによる白色脂肪の褐色化に腸内細菌が関与?

(2015年12月) 寒さにより白色脂肪が褐色脂肪に変わりダイエット効果を発揮することが知られていますが、"Cell" 誌に掲載されたジュネーヴ大学の研究によると寒さによる褐色化に腸内細菌が関与している可能性があります。

低温飼育の実験
マウスを10日間にわたり6℃という低温で飼育(*)したところ、腸内細菌の構成に大きな変化が生じ(高脂肪のエサを与えたにも関わらず?)体重が増えませんでした。
(*) 1ヶ月間をかけて20℃から徐々に気温を下げていった。
腸内細菌の移植
次に、低温により腸内細菌に変化が生じたマウスの腸内細菌を無菌マウス(腸内細菌を持たない)に移植したところ、無菌マウス(低温で飼育したわけではない)においてベージュ脂肪の形成が促進され、糖代謝の改善・低温耐性の向上・体重の減少が見られました。
おそらく1つ目の実験でもベージュ脂肪は増えていたのでしょう。
3週間で体が適応する
低温飼育を開始してから3週間が経つと体重が安定し始めました。 低温飼育により増加した種類の腸内細菌がマウスの腸のサイズにまで影響を及ぼしたのが原因(*)です。 腸内細菌により腸が大きくなって栄養を吸収する能力が上がった(カロリーの吸収率が上がった)ために、ベージュ脂肪によるエネルギー消費量の増加が相殺されていたのです。
(*) ジュネーブ大学が出したプレスリリースでは、Akkermansia muciniphila という腸内細菌が消滅したためとなっています。 Akkermansia muciniphila が消滅した後にこれを人為的に補うと再び体重が減少し始めたともあります。