寒さによる褐色細胞の増加には免疫系が関与していた

(2014年6月) 脂肪には白色脂肪と褐色脂肪の2種類があります。 褐色脂肪とはカロリーを燃焼してダイエット効果をもたらしてくれる脂肪のことで、寒さによって白色脂肪が褐色脂肪に変化することが知られています。

今回 "Cell" 誌に掲載されたカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究では、免疫細胞から分泌される2種類のシグナル伝達分子(インターロイキン4とインターロイキン13)によって白色脂肪からブライト脂肪(褐色脂肪の一種)への変換が引き起こされることが明らかにされました。
ブライト脂肪
ヒトの褐色脂肪は成長に従って失われてゆき成人では大部分が消滅してしまっていますが、白色脂肪が変化して褐色脂肪と同じカロリー燃焼作用を持つようになることがあります。 このように白色脂肪から変化してできた褐色細胞のことをブライト脂肪と言います(ブラウン+ホワイト=ブライト)。 ブライト脂肪には「ベージュ脂肪」という別名もあります。

インターロイキン4および13が白色脂肪内にマクロファージ(「大食細胞」とも呼ばれる白血球の一種)を呼び込み、そこでマクロファージがカテコールアミンという分子を生産するために白色脂肪がブライト脂肪に変化するというのです。

研究グループはマウス実験により次の2点を確認しました:
  1. インターロイキン4の投与でブライト脂肪が増加して体重が減る
  2. 白色脂肪内におけるインターロイキン4のシグナル伝達を阻害すると、ブライト脂肪の増加量が減ってエネルギー消費量も減る(そして寒い環境において体温を維持できなくなる)
研究者は次のように述べています:
「(ブライト脂肪の増加によって)カロリー消費量を数%でも増やすだけでも、1年あるいは2年というスパンで見れば体重に大きな影響があります」

今回の研究は 2011年に "Nature" 誌に発表された研究に続くものです。 2011年の研究では、寒さによって免疫系の一部、特に脂肪内のインターロイキン4が活性化することが明らかにされています。

この研究と同時に "Cell" 誌に掲載されたハーバード大学などによる研究では、寒い環境に置かれたときに脂肪組織において分泌されてインターロイキン4とインターロイキン13を活性化させるホルモンが特定されています。