βブロッカーによる睡眠障害にメラトニンのサプリが有効

(2012年10月) "Sleep" 誌に掲載されたロチェスター大学(米国)の研究によると、βブロッカー(ベータ遮断薬)という降圧剤(高血圧の薬)が原因で不眠症になっている人にメラトニンのサプリメントが有効かもしれません。

βブロッカーと睡眠不足
βブロッカーは、睡眠不足の原因の1つだと言われています。 メラトニンという睡眠に関与するホルモンの放出を阻害することで睡眠に影響を与えていると考えられているのです。
βブロッカーは降圧剤ですが、心血管疾患・偏頭痛・不安症・PTSD(心的外傷後ストレス障害)の患者にも処方されます。

睡眠不足は単に寝不足で辛いだけではなく、最近の研究により、糖尿病・肥満・心臓病などの病気との関連が続々と指摘されています。

研究の方法

βブロッカー服用者の睡眠がメラトニンのサプリメントで改善されるか否かを調べることを目的として、メトプロロールまたはアテノロール(いずれもβブロッカー)を服用中の高血圧患者16人に、βブロッカーに加えてメラトニンを2.5mgまたはプラシーボを3週間にわたって毎晩服用してもらいました。

この3週間には、16人全員に睡眠ポリグラフ検査を受けてもらいました。 睡眠ポリグラフ検査では睡眠中の脳波・筋緊張・心拍数・眼球運動を測定します。

結果
今回の研究は被験者数が少なかったのですが、結果は明確でした。 メラトニンを服用したグループはプラシーボを服用したグループに比べて、次のように睡眠が改善されていました:
睡眠時間が平均で36分間長い・寝つきが14分間早い・睡眠効率(*)が良い(80%に対して88%)・ステージIIの睡眠(†)の時間が平均で41分間長い

(*) 布団の中で過ごす時間に対して眠っている時間の割合。

(†) ノンレム睡眠の一部で、睡眠時間に占める割合が最も大きい。
睡眠薬と比べたときのメリット
この研究では、睡眠用に処方される薬にはないメラトニンのメリットがいくつか観察されました。 服用を止めてもリバウンド(眠りの質が落ちる)がなく、効果が多少残る、耐性ができて服用量が増えることがないなどです。