β細胞の繊毛に異常が生じるとインスリンが不足する

(2014年11月) "Nature Communications" 誌に掲載された Karolinska Institutet(スェーデン)などの研究によると、膵臓に存在するβ細胞の繊毛(シリア)がインスリンの放出において重要な役割を果たしています。

繊毛病(繊毛や鞭毛に関係する遺伝子の異常により引き起こされる病気)の患者に2型糖尿病を発症する人が多いことはしばらく前から知られていましたが、今回の結果から繊毛の機能に生じる異常が2型糖尿病の発症に関与している可能性が示唆されます。

今回の研究では、β細胞をブドウ糖で刺激するという実験を行いました。 その結果、β細胞の繊毛を覆っているインスリン受容体の数が増加しました。 そして、血流中のインスリンがこの受容体に結合すると、インスリンの血中への放出が促進されました。 したがって、β細胞の繊毛がインスリンの放出とシグナル伝達に深く関与していると考えられます。

さらに、マウスを用いた実験では、繊毛をほとんど持たない、あるいは繊毛に欠陥が生じたマウスではインスリンの放出量が減少して、血糖値が有意に増加するという結果になりました。