「最新健康ニュース」のコンテンツを閲覧以外で利用する方は「引用・転載・ネタ探しをするときのルール」をご覧ください。

小さな数字は右脳で、大きな数字は左脳で処理される

(2016年3月) "Cerebral Cortex" 誌に掲載されたインペリアルカレッジ・ロンドン(英国)の研究によると、相対的に小さな数字は右脳で処理され、相対的に大きな数字は左脳で処理されます。

予備知識

脳は左右に分かれていて、左脳は体の右側を、そして右脳は体の左側をコントロールしています。 そして一般的に、左脳と右脳は一方が他方よりも優位にあります。 例えば、右利きの人は左脳の方が活発であるのが一般的です。

これまでの研究により脳が前頭頭頂皮質と呼ばれる領域で数字を扱うことが示されています。 脳がどのように数字を処理するかはわかっていませんが、脳卒中の患者(*)を調べた研究により、大きい数字と小さい数字とで左脳と右脳のいずれで処理されるかが異なっているらしきことだけはわかっていました。
(*) 右脳にダメージが生じていることが多い。
研究の方法

まず、健常な被験者の左脳または右脳だけを一時的に不活化して、数字のテストを受けてもらいました。

脳の片側を不活化する方法

水平または垂直な線が映し出されるゴーグルを装着して、両耳に冷水または温水を注ぎました。 理屈は不明ですが、これで脳の左右いずれが活性化するかをコントロールできるそうです。

数字テストの内容

数字テストの内容は、提示された2つの数字(例えば22と76)の中間に位置する数字を答えさせたり、時計の文字盤(と、その数字)を描いたりするというものでした。

結果
中間値を答えさせるテスト

右脳を活性化させたときには、提示された2つの数字の中間に位置する数字を言い当てるというテストで被験者は比較的小さな数字を口にしました。 50と100という数字の中間の数字を求められたときに、75ではなく65などのように比較的小さな数字を口にしたのです。 これに対して左脳を活性化させたとき、被験者は75よりも大きな数字を口にしました。

研究者によると、左脳で処理されるか右脳で処理されるかという問題において数字の大きさは相対的なものだと思われます。 例えば50~100という数字帯で中間値を尋ねるならば80という数字は(50~100という数字帯においては比較的大きな数字だから)左脳で処理されるけれども、50~300という数字帯で中間値を尋ねるならば80という数字は(50~300という数字帯においては比較的小さな数字だから)右脳で処理されるはずだというのです。

時計の数字のテスト
時計の文字盤を描くというテストにおいて、右脳が活性化しているとき被験者は1~6という(比較的小さな)数字をわずかに大きく分かりやすく(数字の周囲に大きくスペースを取って)書く傾向にありました。 逆に左脳が活性化しているときには、6~12という(比較的大きな)数字を大きく書く傾向が見られました。
原文にこの部分の解説が欠けているのですが、右脳が活性化していると小さな数字が苦手となるので無意識のうちに念入りに書き、左脳が活性化しているときにはその逆となるということでしょうか? あるいは1~6が時計の文字盤の右側にあるから?
数字処理時の利き脳セルフチェック

冒頭で述べたように左脳と右脳は一方が他方よりも優位にありますが、研究者によると自分の脳が数字を処理する際に右脳と左脳のどちらが優勢となっているかを自分で調べることができます。

やり方は上述の「中間値を答えるテスト」と同じです。 例えば、22と46という数字の中間値を直感的に(暗算で平均値を求めたりせずに)答えてみてください。

自分が答えた数字が22と46の平均値よりも大きければ、数字の処理において貴方の脳は左利きで、左脳の方が比較的活発です。 逆に、答えた数字が22と46の平均値よりも小さければ、数字の処理において貴方の脳は右利きだということになります。

このテストを異なる数字の組み合わせで何度も行うと、判定の精度が上がります。