喫煙によって苦味に鈍感になり、禁煙後にも回復しない

(2014年3月) "Chemosensory Perception" 誌に掲載されたフランスの研究によると、喫煙者および喫煙歴のある人では、苦味に関する味覚が損なわれることがあります。

タバコに含まれる有害な化学物質によって喫煙者の舌に存在する茸状乳頭(味蕾が位置している)に構造的な異常が生じて味覚が損なわれることは知られていますが、損なわれた味覚が禁煙によって回復するのかどうかや、回復に要する期間は不明でした。

研究の方法

この研究では、パリの病院の職員451人を①現在の喫煙者、②喫煙歴の無い人、および③元喫煙者(現在は喫煙していない)という3つのグループに分けて、甘味・酸味・苦味・塩味という4つの基本的な味覚の能力を検査および比較しました。

結果

塩味・甘味・酸味の味覚には喫煙の影響が見られませんでしたが、苦味を感じる能力は喫煙によって衰えていました。

舌に存在する苦味の受容体は、ごく低濃度の苦味でも感じることが出来るのが普通なのですが、①のグループでは19.8%、そして③のグループでは26.5%が苦味を正しく感知できていなかったのです。 ただし、②のグループでも、13.4%が苦味を正しく感知できていませんでした。

考えられる理由
研究チームは、元喫煙者において味覚が依然として損なわれている理由として、喫煙していた時期にタバコに由来する有害物質が体内に蓄積され、喫煙を止めた後にもその物質が味蕾の再生を妨げているのではないかと考えています。