欧米の高血圧ガイドラインはアジア人には適さないかもしれない

(2015年12月) "*Heart Asia*" 誌に掲載されたオピニオンにおいて、欧米で昨年発表された高血圧のガイドラインがアジア人(特に高齢者)には適さないという主張がなされています。
Fabio Angeli, Gianpaolo Reboldi, Paolo Verdecchia. The 2014 hypertension guidelines: implications for patients and practitioners in Asia. Heart Asia 2015;7:21-25 doi:10.1136/heartasia-2015-010639
オピニオンの著者は次のように述べています:
「欧米で最近発表されたガイドラインはエビデンスに基づく高品質のものですが、アジア人と欧米人では高血圧の性質が異なるため、このガイドラインはアジア人には当てはまらない可能性があります」
2014年の高血圧ガイドライン

2014年の高血圧ガイドラインでは、心血管疾患(心臓病や脳卒中)や腎不全のリスクが高い患者向けの血圧の目標値が 140/90 mmHg にまで緩和されています。 しかし著者によると、アジア人にはこの基準は緩すぎる恐れがあります。 アジアで作成されたガイドラインの中には、もっと基準が厳しいものもあります。

アジア人の高血圧

アジア諸国では生活が欧米化したために、過去30年間なかでも過去10年間のうちに高血圧の人が急激に増加しています。

アジア人は降圧剤への反応・合併症のリスク・予後において欧米人と異なるため、欧米人に比べて血圧が脳卒中のリスクに及ぼす影響が強く、脳卒中による死亡と健康不良の率も高くなります。

著者は「高血圧の治療が特に困難となる高齢者においては欧米向けのガイドラインが提示する収縮期(最高)血圧の基準値により脳卒中のリスクが増加しかねないため、目標値を 140/90 mmHg よりも低く設定するべきである」と主張しています。