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血糖値が高いとアルツハイマー病のアミロイドβが蓄積しやすい

(2015年5月) これまでに多数の研究で2型糖尿病によりアルツハイマー病が促進される可能性が示されていますが、"Journal of Clinical Investigation" に掲載されたワシントン大学の研究(マウス実験)で、血糖値が高いとアミロイドβと呼ばれアルツハイマー病患者の脳に見られるプラークが蓄積しやすいという結果になりました。 出典: Scientists Find New Link Between Diabetes and Alzheimer’s

研究の概要

アルツハイマー病に相当する病気を発症するように飼育されていたマウスの血流中にブドウ糖を注入して血糖値を2倍に増加させたところ、脳におけるアミロイドβの蓄積量が若いマウスでは20%、年を取ったマウスでは40%増加しました。

メカニズム

この研究では血糖値の急増によって脳のニューロンの活性が増加し、それによってアミロイドβの生産が促進されていることも示されました。

ニューロンの発火は脳細胞の表面に存在するKATPチャネルを介しても行われますが、脳内のブドウ糖の量が増加するとKATPチャネルが閉じてしまい、そのために脳細胞が興奮して発火しやすくなります。

正常な発火は脳細胞がどのように情報をエンコードし伝達するかという問題ですが、発火が脳の特定の部分で過剰になるとアミロイドβの生産量が増加します。 それによって最終的に、アミロイドのプラーク蓄積量が増加してアルツハイマー病の発症が助長されます。
研究者は次のように述べています:
「今回の結果から、血糖値のコントロールが困難となる糖尿病などの病気が脳の機能に悪影響を及ぼし、アルツハイマー病などの神経性疾患を悪化させる可能性が示唆されます。 将来的には今回明らかになった(血糖値とアミロイドβの)関係をターゲットとする治療薬の開発が期待されます」