(2018年7月) カナダの研究グループが水辺からの距離と死亡リスクの関係が調査した結果を "Environmental Health Perspective" 誌に発表しています。
研究の方法
カナダの30の都市に住む126万人ほどの男女の生存状況を 10.6年間(2001~2011年末)にわたり追跡調査し、住んでいる地域から250m以内の距離に水辺(海・湖・河川)が存在するか否かと死亡リスクとの関係を分析しました。
結果
126万人のうち水辺から250m以内の距離に住んでいたのは10万人ほどでした。
水辺から250m以内の地域に住む人はそうでない人に比べて、心臓病・脳卒中・呼吸器疾患・糖尿病・認知症などで死亡するリスクが12~17%低いという結果でした。 事故や外的要因で死亡するリスクには差が見られませんでした。
水辺が近いと死亡リスクが低いという関係は女性と65才以上の高齢者で顕著でした。 死因別では、水辺が近い場合に脳卒中や呼吸器の問題で死亡するリスクが特に下がっていました。
水辺からの距離が500mや1kmの場合にも死亡リスクが下がっていましたが、リスクの低下幅は小さく、死因によっては死亡リスクが下がっていないケースもありました(呼吸器に起因する死亡など)。
まとめ
水辺からの距離と死亡リスクとの間に明確な関係が見られました。 今回の結果から、都心部において自然環境との接触が健康にとって有益であると考えられます。 家の窓から水面が目に入るだけでも心身に良い影響をもたらすのかもしれません。
参考資料
いずれの画像もクリックで拡大しますが、それでも小さいです。 大きい画像がありませんでした。