いまや総死亡率が最も低いのは軽度の肥満。 従来のBMI分類は時代遅れ?

(2016年5月) "JAMA" に掲載されたコペンハーゲン大学病院の研究によると、最も健康的なBMIの範囲が過去30年間のうちに上に移動しています。出典: Increase Seen in the BMI Associated with Lowest Risk of Death
つまり、これまで少し太り過ぎだとされていたBMIの範囲が、実は最も健康的な範囲なのではないかというわけです。
これまでにも複数の研究で、BMIの平均値が世界的に増加傾向にあることや、現在の基準では肥満に分類される人たちにおいて心血管疾患のリスク要因(*)が見られないケースが増えていることが示されています。
(*) 心臓病や脳卒中のリスクが高い人に見られる血液検査の数値や血管の状態などのことでしょう。
研究の方法
次の3つの調査のデータを分析しました:
  • Copenhagen City Heart Study 1976~1978年(13,704人)
  • Copenhagen City Heart Study 1991~1994年(9,482人)
  • Copenhagen General Population Study 2003~2013年(97,362人)

3つの調査のいずれでも、2014年11月(または死亡するか移住するか)まで追跡を続けました。

結果
総死亡率(死因を問わない死亡率)が最も低くなるBMIの値が、30年間(1976~1978年から 2003~2013年にかけて)のうちに23.7から27(*)へと3.3ポイント増加していました。
(*) 27という数値は、現在の基準では1度の肥満に分類されます。
さらに、30年前には2度の肥満(*)の人は普通体重(†)の人に比べて総死亡リスクが30%高かったのが、現在ではリスクの差が消滅していました(‡)

(*) BMIが30以上。

(†) BMIが18.5~25未満。

(‡) 年齢・性別・喫煙習慣・心血管疾患やガンの病歴を考慮したハザード比(adjusted hazard ratio)が、30年前には1.3だったのが1.0になっていた。
結論

死亡率という点からは現時点で過体重(1度の肥満)に分類されている人たちのBMIが最も健康的であるという結果でした。

世界保健機構(WHO)による現在のBMI分類は 1990年代以前のデータに基づいていますが、今回の結果が今後の研究で確認されれば、現行のBMI分類を改訂する必要があるかもしれません。