ボディービルダーは一般人よりも筋肉の能力が劣る

(2015年9月) "Experimental Physiology" 誌に掲載されたマンチェスター・メトロポリタン大学(英国)の研究によると、ウェイト・トレーニングで鍛えあげられたボディービルダーの筋肉は一般人の筋肉よりも能力が劣っています。

ボディービルダーの筋繊維が一般人のそれよりも大きくてそれ故に一般人より遥かに大きな力を生み出せるのは事実なのですが、1グラムの筋肉が生み出す力を比較すると一般人よりも遥かに劣るというのです。

研究の内容
男性ボディービルダー12人、短距離走者などのパワーアスリート(*)6人、運動習慣はあるけれどウェイト・トレーニングはしていない男性14人の太腿から筋肉のサンプルを採取し、筋細胞を分離して、筋細胞が生み出すスピードと力を測定しました。
(*) 検索してみましたが定義は不明。 重量挙げの選手やレスラーなどもパワーアスリートに含めるような記述もありますが、おそらくは長距離走などの持久運動でもウェイトリフティングでもない、瞬発力を要求されるスポーツの選手のことではないかと思います。 短距離走以外ではテニスやバスケットボール、ボクシングなど。
コメント
研究者は次のように述べています:
「筋肉の過剰な発達は筋肉の品質にとってマイナスとなるかもしれません。 代謝的に高くつく(*)巨大な筋肉よりも普通の筋肉のほうが良い可能性があります」
(*) 代謝的に高くつく - "metabolically expensive"。 エネルギー消費が大きくて燃費が悪いという意味でしょうか。
「ボディービルダーにおいて力を生み出すタンパク質(筋肉モータータンパク質)の働きが悪いということではないようでしたから、ボディービルダーは筋肉1グラムあたりに含まれるモータータンパク質が少ないのかもしれません」

「パワーアスリートでは筋肉の質が改善されていた(*)ことから、トレーニングの方法が筋肉の品質に影響すると思われます」

「今回の結果から、ピークパワー(筋肉の最大出力)を向上させるには、パワーアスリートが行うような有酸素運動を伴う高強度で低量(†)のレジスタンス・トレーニングが有益であることが示唆されます」

(*) 筋肉サンプルの検査を一定期間を空けて2回行ったのでしょうか。

(†) 低量 - low volume。 volume は「筋肉への負荷×筋トレ回数」という意味のようです。