骨折予防には牛乳よりもヨーグルトが良いかも。 牛乳の乳糖が原因?

(2014年10月) "*The BMJ*" に掲載されたウプサラ大学(スェーデン)などの研究で、牛乳をたくさん飲んでも骨折のリスクは低下せず、そのうえ死亡率が上がるという結果になりました。
Karl Michaëlsson, et al. Milk intake and risk of mortality and fractures in women and men: cohort studies. BMJ 2014; 349 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g6015

この研究は牛乳飲用と死亡率増加との相関関係を示しただけであり、因果関係までは示していませんが、牛乳で死亡率が上がっているとすれば、それは牛乳に多量に含まれるラクトース(乳糖)とガラクトースが原因かもしれません。 ラクトースとガラクトースは過去に行われた複数の動物実験で、酸化ストレスと慢性炎症を増加させることが示されています。

過去にも同じような研究が複数行われていますが、牛乳による骨折予防効果と死亡率の増加いずれについても、それらの結果はまちまちです。

研究の方法

今回の研究では、スェーデンに住む 61,433人の女性(39~74才)と 45,339人の男性(45~79才)を対象に、牛乳や、ヨーグルト、チーズなどの乳製品を含む96種類の一般的な食品を摂取する頻度に関するアンケートを実施しました。

データの分析においては、生活習慣や身長・体重(BMI)、教育水準、婚姻状態も考慮しました。 骨折率および死亡率のデータは政府機関(national register)から入手しました。

女性の追跡期間は平均20年間で、その間に発生した死亡件数は 15,541件、骨折件数は 17,252件(うち 4,259件が股関節の骨折)でした。 男性の追跡期間は平均11年間で、その間に発生した死亡件数は 10,112件、骨折件数は 5,066件(うち 1,166件が股関節の骨折)でした。

結果
主な結果は次の通りです:
  • 男女ともに、牛乳の摂取量が多いグループでも骨折リスクが低下していなかった。女性では、牛乳の摂取量が多いグループでは骨折リスク(補正ハザード比)がむしろ増加気味だった(骨折全体で2%、股関節の骨折は9%)。
  • 女性では、1日に牛乳を3杯超(平均で680ml)を飲むグループでは、1杯未満(平均で60ml)しか飲まないグループに比べて死亡のリスクが15%増加していた。
  • 男性でも牛乳摂取量が多いグループでは死亡のリスクが3%増加していた。
  • 同じ乳製品でもヨーグルトやチーズのように発酵処理によって乳糖の含有量が減ったものの摂取量が多い女性のグループでは、死亡率と骨折率がどちらも低下していた。 男性ではこの関係はほとんど認められなかった。
  • 男女ともに牛乳の摂取量と、酸化ストレスの尿中マーカー(8イソPGF2α)および炎症の血中マーカー(インターロイキン6)との間に相関関係が存在していた。

これらの結果から、男性でも女性でも牛乳の摂取量が多くても骨折のリスクは下がらずに死亡率だけが増加する可能性と、その理由が牛乳に含まれるラクトースおよびガラクトースである可能性が示唆されます。

研究チームは次のように述べています:
「現在、骨を丈夫にして骨折を予防するために牛乳をたくさん飲むことが推奨されているが、今回の結果からすると、そのような推奨を見直す必要があるかもしれない。 ただし、今回の研究は観察研究に過ぎない(因果関係が示されていない)ため、この結果を鵜呑みにするわけにはいかない。 今後の研究で今回の結果を確認する必要がある」